SESと派遣の違いを解説!請負との違いや、派遣法改正の影響とは?

IT業界ではSES契約というものが多く交わされています。SES契約と似たものに派遣契約がありますがいったいどのような違いがあるのでしょうか?契約の中身をきちんと理解することは不当な労働を事前に防ぐことに繋がります。

SES・請負・派遣契約の違い

発注者・技術者・受注者の三者が登場

SESは派遣契約同様に発注者・技術者・受注者の三者によってなりたっています。受注者と技術者は雇用関係です。受注者は発注者に対して技術者を送ります。

発注者と技術者は雇用関係にないため技術者に対して指示を出すことはできません。SES契約では、技術者に指示を出せるのは受注者のみになります。

SES契約は準委任契約

SES契約という言葉は民法にはなく、実際は準委任契約にあたります。準委任契約とは労働に対して報酬が支払われ、成果物の完成責任は問われていません。

SES契約と派遣契約は構造は似ていますが契約内容の面で大きく異なり、技術者の扱いを間違うと法律に違反してしまいます。発注者および受注者は何が違法になるのかしっかり把握しておく必要があるでしょう。

請負契約は仕事の完成義務を負う

委任契約は業務委託契約にくくられますが、同じ業務委託契約に請負契約というものがあります。委任契約との違いは労働に対して報酬が支払われるのではなく、成果物に対して報酬が支払われます。

発注先が請負契約、委任契約の違いを理解していないために技術者は成果物の完成を求められる場合があります。技術者は自分の身を守るために、発注者、受注者は違法行為を行なわないために委任契約と請負契約の違いを把握する必要があるでしょう。

派遣契約は労働に対して報酬が発生

派遣契約は労働に対して報酬が支払われます。この点は委任契約と変わりありません。委任契約との違いは派遣労働法の適用や社会保険に加入できるという点です。

派遣を行なうためには派遣元(受注者)は派遣社員を正式な社員として雇用しなければなりません。また派遣責任者を選任したり、派遣先管理台帳の作成を行なう義務があります。

SES契約前に確認したいポイントとは?

一人で客先常駐は違法

一人で発注先への常駐は違法になります。なぜ違法なのか理解するためには、SES契約では発注先が技術者に対して直接指示を出してはいけないということを踏まえる必要があります。

SES契約において技術者に指示を出せるのは受注者です、受注者は受注者側の代理人となる人物を最低1人選任する必要があります。そのため、発注先への常駐は代理人含め最低でも2人常駐しなければなりません。

残業や休日稼働の請求は決めておく

通常SES契約では労働時間に対して報酬が支払われます。契約時に労働時間は事前に定められている場合が多く、報酬は契約書に基づいた形で支払われます。

正規雇用契約や派遣契約では労働基準法、労働派遣法が適用され、法律により労働者に対する残業代や休日手当は保障されています。しかしSES契約では契約内容に準じて報酬が支払われるため、事前に残業や休日出勤について決めておく必要があるでしょう。

契約解除についての取り決めを確認

契約解除についてはSES契約は委任契約であるためいつでも解除が可能です。ただし契約相手に損害を与えてしまう場合は賠償の責任があります。

対して請負契約では賠償金を支払えばクライアントから契約解除はできますが、受託者は契約を途中で解除することはできません。

派遣法改正で確認したいポイントは?

多重派遣の問題

IT業界は慢性的なエンジニア不足から、人員を送り出してくれる派遣会社には大きな需要があります。しかし派遣会社全てが安定した人員を自社で確保しているわけではありません。

派遣会社も他社から人員を送ってもらい、その人員をさらに送り出すという多重派遣がしばしば起きています。多重派遣は法律により禁止されているため労働者は自分の現状が多重派遣ではないか注意する必要があります。

特定派遣廃止の影響

派遣先が労働者に指示を出すのが可能なのは派遣契約のみです。労働者が派遣先に常駐するような契約を特定派遣といいますが、2018年9月29日付けで廃止されてしまいます。

しかし、労働者を現場に常駐させることはSES契約で可能です。そのためSES契約であるのに労働者に対して派遣先が指示を出すという偽装請負と言う問題が発生しています。

専門26業務廃止で3年の期間制限

以前まで専門26業務というものがあり、該当する業種は、無期限で派遣先に勤めることができました。しかし制度の廃止に伴い勤務年数が3年までとなりました。

無期雇用派遣や紹介予定派遣を利用することで安定して仕事を続けることが可能であり、短い期間で様々な会社で働けるためスキルアップに繋がります。

まとめ

SES契約は労働基準法や労働派遣法が適応されないため、労働者と勤務先でのトラブルが起こることがあります。現状、労働者が自分の身を守るためには契約内容を把握し、事前に残業や休日、労働時間に関する取り決めをきちんとしておくことです。

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