業務委託に給与明細発行義務はある?報酬だから源泉徴収票が必要?

自営業やフリーランスとして仕事を行う場合、主にクライアントと業務委託契約を締結することになるでしょう。その際に得る金銭は給与ではなく報酬になるのですが、それに対する明細の発行義務はあるのでしょうか?この記事では、業務委託と雇用の違い、そして源泉徴収との関係性について見ていきたいと思います。

業務委託契約と雇用契約の違い

3種類の業務委託契約

業務委託契約には請負契約、委任契約、準委任契約といった3種類の契約形態が存在します。請負契約はクライアントに何かしらの完成物を納品することが契約完遂の条件となる契約形態です。

一方、委任契約と準委任契約は完成物納品の義務はなく、定められた仕事を専門家としての注意力を以て行うことが契約完遂の条件となります。委任契約と準委任契約の違いは、委任契約は法的業務を委任する際の契約形態であり、それ以外の業務を委任する場合は準委任契約といった形になるのが一般的です。

雇用契約は使用者と労働者の関係

雇用契約は使用者と労働者間で結ぶ契約であり、主にアルバイトや正社員として働く際に締結されます。雇用契約を結ぶ際には期間の定めを設けない場合も多いため、事前に様々な条項を書面にして互いに確認しておくことで、後々のトラブルを防ぐこともできるでしょう。なお、雇用契約書を作成する際には、定められた10の項目を記載しなければなりません。

業務委託契約と雇用契約の見極め

業務委託契約と雇用契約の間には様々な差異があり、契約形態ではなく仕事の実態によって判断される傾向があります。例えば、仕事を進めるにあたって誰かの指揮命令下に属したり、出勤等を強制されたりする場合は、雇用契約の側面が強いと言えるでしょう。両者の特徴をしっかりと把握し、誤解のないよう契約を締結することが大切です。

業務委託料は報酬で雇用契約料は給与

業務委託契約を完遂して支払われる金銭は報酬であり、雇用契約の場合は給与といった区分になります。両者は言葉や意味も異なりますが、確定申告を行う際の所得区分も異なるため注意が必要になるでしょう。業務委託によって得た報酬は事業所得や雑所得、雇用契約での給与は給与所得として扱われるのが一般的です。

明細や源泉徴収票発行の義務はある?

業務委託報酬は給与明細発行義務なし

業務委託契約によって支払われる報酬に対しては給与明細の発行義務はありません。そもそも、報酬と給与は異なる存在であるため、給与明細の発行が行われないのはいたって自然なことと言えるでしょう。しかし、明細を参照できないと困る場合も多いため、どのクライアントからいつどれだけの額が入金されたのかは自身で管理しておく必要があるでしょう。

源泉徴収票は発行義務がある

業務委託契約において報酬の支払者が源泉徴収義務者である場合、受託者の報酬に対して源泉徴収を行わなければなりません。その際には源泉徴収票(支払調書)と呼ばれる明細を作成して税務署に提出する必要があります。すなわち、源泉徴収義務者は受託者の報酬から源泉徴収額を計算し、それを支払調書と共に税務署に提出する形になるでしょう。

受託者に発行する義務はない

源泉徴収義務者は支払調書を税務署に提出する必要はあるものの、必ずしも受託者に発行しなければならないという義務はありません。そのため、事業者によっては支払い調書の発行に対応してくれず、どれだけの額を源泉徴収されたのかが分かりにくくなってしまう場合もあるでしょう。前述した通り、フリーランスや自営業として働いている場合は入金管理等を自身で行うことが求められます。

源泉徴収票がない場合の確定申告は?

帳簿から計算することも可能

源泉徴収票がない場合の確定申告においては、帳簿から源泉徴収額を算出するという方法があります。確定申告時に支払調書を提出する義務はないため、自分で源泉徴収額を計算して確定申告書類に記入することが可能です。

所得の種類と税金対策

所得の種類は10種類

所得には様々な種類があり、確定申告時にはそれぞれに沿った所得区分で申告しなければなりません。会社員やアルバイトとして働いた場合に得た給与は給与所得、株式の売買で得た利益は譲渡所得、フリーランスや自営業として得た利益は事業所得や雑所得に分類されるのが一般的です。

所得税の税金対策は青色申告など

事業所得にかかる所得税の税金対策としては、青色申告を行うことが挙げられます。青色申告を行うことで経費として認められるものの幅が広がり、加えて複式簿記で申告を行うことにより最大65万円の控除を受けることができるでしょう。

それ以外にも一定期間赤字の繰越が認められる等の優遇措置が設けられているため、事業所得を得ている場合は青色申告での確定申告を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

事業者によっては毎年支払調書を発行してくれるところもありますが、全ての事業者がそうであるわけではありません。発行義務のない書類を発行するのは事業者にとって手間を増やすだけの行為になりかねません。業務委託契約で源泉徴収されている場合、自身の源泉徴収額を算出した上で忘れず申告することをおすすめします。

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