ソースコードに著作権はある?著作権の帰属者と注意点のまとめ

エンジニアやプログラマとして働いていると、仕事で様々なソースコードを作成することになりますが、それらの著作権は誰に帰属するのでしょうか?この記事では、ソースコードの著作権の帰属者に関して、またソースコードの著作権に対する注意点等を見ていきたいと思います。

ソースコードの著作権は誰にある?

著作権は基本的に製作者にある

ソースコードの著作権は基本的に製作者にあるという考え方が一般的です。著作権とは著作物に対する様々な権利のことであり、著作物を著作権者の許可なしに勝手に譲渡したり複製したりすることは認められていません。ソースコードの著作権が製作者にあるということは、製作者の許可なしに公開したり改変したりすることはできないということになるでしょう。

譲渡するには両者の合意が必要

もし著作権を譲渡する場合は、両者の合意に基づいて行われる必要があります。両者の合意は原則的には口約束でも構いませんが、後々のトラブルを防ぐという意味でも書面に基づいて行われるのが好ましいです。ソースコードの著作権を譲渡する場合、業務委託契約を締結した際に契約書にその旨を記載しておくのがスムーズです。

実際の判例

以下は平成26年に起こった裁判の一例です。ソフトウェア開発の委託者が廃業した受諾者にソースコードの引き渡しを求めたところ、受諾者はそれを拒否し、委託者が損害賠償請求を行ったという裁判がありました。その際、ソースコードの著作権は原始的に製作者にあるという判例が下され、それを譲渡する場合は書面等で両者の合意に基づいて行われる必要があるとの見方がされました。

著作権保護の範囲はどこまで?

著作権で保護されるのは「表現」

著作権に関しては、「アイデア・表現二元論」という考え方があります。これは、著作権保護の対象となるのはあくまで表現のみであり、アイデアに関してはその対象外になるというものです。そのため、「アイデア・表現二元論」においては、アイデアに該当するUXやレイアウト等は対象外と解釈されることになるでしょう。

著作権のトラブルによる実害は?

売上が立たない・高額の損害

著作権侵害が発覚した場合、該当するソフトウェアやアプリの配信を停止させられ、売上が立たなくなってしまう可能性があります。また、著作権者から損害賠償請求をされるケースもあり、その場合は裁判になり高額の損害を被ってしまうこともありえます。安易に著作権を侵害してしまうことによるリスクは大きいため、適切な管理が求められます。

著作権を守るには?

所属組織の開発ポリシーに従う

企業の一従業員としてソフトウェア開発に関わる場合、職務命令で製作したソフトウェアの著作権は原則的に組織のものとなります。この場合、開発者は組織の開発ポリシーに従う必要があるため、自身の著作権を主張することは難しいと言えるでしょう。もし一従業員が著作権を有してしまうと、組織としてはそれらの運用にいちいち権利者の許可を得なければならなくなってしまい、あまり現実的ではありません。

受託開発契約が重要

一次受けのソフトウェア開発企業の場合、著作権は自社のものになります。しかし、後々のトラブルを防ぐという意味合いでも、受託開発契約の際に著作権の帰属先を契約書等に明確に記しておいた方が良いです。契約条項が結ばれていない項目は誤解が生じやすく、場合によっては「言った言わない」のような水掛け論になってしまう可能性があります。

開発ポリシーを決める

流用可能なソフトウェア、及び流用不可能なソフトウェアを開発ポリシーとして決めておく必要があります。流用が可能なソフトウェアの場合はどこまで可能なのか、そして誰が流用のチェックをするか等も明確にしておくことが大切です。事前にポリシーを決めておくことで、後の管理運用がスムーズになることが期待できます。

ソフトウェア提供時にも対策を

ソフトウェアを提供する際にも著作権侵害を防ぐ工夫を施すことが可能です。一例としてはライセンスの整備を行ったり、スクリプトを難読化しておくこと等が挙げられます。そのような対策を予め施しておくことで、場合によっては逐一著作権侵害をチェックする必要がなく、手間を軽減することができるのではないでしょうか。

著作権について理解を深めること

著作権管理について何より大切なのは、何が著作権の侵害に該当するかといった知識を理解しておくことです。「著作権というのはこういうものである」というのは法律である程度明確に定められているため、それらの知識を有しておけば著作権における様々なリスクを回避することに繋がります。

まとめ

ソースコードの著作権は原則的に製作者が有することになりますが、企業の従業員として開発に携わった場合はその限りではありません。また、ソースコードの著作権に関しては「アイデア・表現二元論」という考え方があり、それを用いると保護される対象は「表現部分」のみになってしまう点は注意が必要でしょう。

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