ITコンサルタントに有利な資格は?難易度は高い?

ITコンサルタントに有利に働く資格にはどのようなものがあるのでしょうか?そもそもITコンサルタントの職業に就くためには、医師や弁護士のように資格免許を必要とするのでしょうか?コンサルタントに必要な要素を分解しつつ、その適性にあった資格と難易度について解説していきます。

ITコンサルタントになるには資格が必要?

資格は必須ではない

ITコンサルタント(以下ITコンサルと略称)の職業に就くのに必須の資格はありません。新卒からでもチャレンジできる職業です。ただし、いわゆる医師や弁護士などの士業ではないながらも、負けず劣らず高度な専門性や経験が求められる職業といえるでしょう。

例えば経営を俯瞰する広い視野や、課題を論理的に処理する思考力、膨大なデータから素早く打ち手を導き出す分析力、ステークホルダーとのコミュニケーション能力などです。試験問題と向き合う方式では、資質を測定することが難しいスキルが要求されるという言い方もできます。

資格があると有利になる

資格取得が必須ではありませんが、「論理的思考力」「データ分析力」など、ITコンサルにとって必要不可欠なアビリティを、第三者機関公認という形式で証明できる資格はいくつかあります。

ITコンサルの資質を測るには、経営とITを有機的に結合するための知見。そして仮説思考や課題解決能力の成熟度を問う問題。情報処理の思考回路やプロジェクトのケーススタディを問う問題。プロジェクト管理能力を問う問題が親和性は高いとされ、これらの能力を問う資格を取得することは、ITコンサルを職業とするうえで有利に働くといえるでしょう。

おすすめの資格と難易度

ITストラテジスト

ITストラテジストは、IPA(情報処理推進機構)が運営する資格で、経営とITを有機的に結ぶための戦略を策定する能力や実務経験を問う国家資格です。経営計画に直結する重要度の高い「情報参謀」たる資質があることを証明する資格のため、高度情報処理技術者資格の中でも最難関に位置する資格です。

ITストラテジスト資格を保有することで、企業のCSO(最高戦略責任者)やCIO(最高情報責任者)といった経営執行役を補佐する責任ある立場のポジションを得たという有資格者もいます。

ITコーディネータ

ITコーディネータは、ITCA(ITコーディネータ協会)が運営する経産省の推進資格です。資格取得には、筆記試験の合格とケース研修の修了という2つの要件を満たす必要があります。

主に中小企業の経営をITで利活用するための深い知識と経験が求められる資格で、時代の潮流にあったプラットフォームの選定、ビジネスプロセスの再構築、性能評価など、ITコンサルに必要なスキルを養うことができます。

合格率はここ数年の平均値で50%以上と高い数字ですが、会計士や税理士、中小企業診断士が受験者の約半数を占めるため、応募者の質が高い資格であることがいえます。民間資格ながら難関資格に位置付けられています。

プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営するプロジェクト管理に関する国家資格です。出題形式は午前ⅠⅡが「マークシート」形式で、午後がⅠ「記述式」とⅡ「論文形式」となり、4つの試験全てにパスする必要があります。

ITプロジェクトを俯瞰する力やプロジェクトの資源である「ヒト、タスク、カネ」の管理手法が問われる試験のため、ITコンサルにとっても有用な資格です。毎年の合格率が10%台で高度情報処理技術者資格の中では比較的難易度の高い資格に位置付けられています。

PMP

PMPはプロジェクトマネジメントおける国際資格です。プロジェクト管理に必要な一定のスキルを測る指標として、プロジェクトマネージャの登竜門となる資格に位置付けられています。

プロジェクトマネージャを目指すための資格ではありますが、ITコンサルでも、例えばシニアコンサルタントやマネージャクラスに昇格すると、プロジェクト資源を予実管理するスキルが必要になります。その資質を証明するうえで受験するITコンサルタントも多く見受けられます。

中小企業診断士

中小企業診断士は経産省認定の「中小企業支援法」に基づく国家資格です。一次試験が7科目の筆記試験(マークシート方式)で、 二次試験が5問程度の事例の読解問題と面接試験(読解問題通過者のみ)です。

中小企業の経営課題に対して、財務面と戦略面の両面から診断や助言をおこなえるスキルが問われます。企業に属して業務を行う企業内診断士と独立開業している診断士に大別され、行政や金融機関の橋渡し役を担い、施策実行の支援まで幅広い業務を行います。

一次試験と二次試験をストレートでパスする合格者は5%未満と狭き門で、数年間かけて一試験と二次試験を分けて資格取得にチャレンジする受験者が多いようです。

資格の難易度と評価

難易度と評価は比例する

資格の難易度が高いほど評価が高い傾向にあるようです。難易度の高い資格は、選択式の筆記試験だけでなく、論述や論文または面接という形式で、実務経験ないしは経験相当の能力が問われる形式になっています。

受験者のレベルが相対的に高い中で、平均年齢30代以上、合格率10%台のハードルを越えていくわけで、難易度と評価が比例するのも頷けます。

難関資格ほど年収も上がる

難関資格ほど年収も上がる傾向にあります。例えば、難関国家資格と名高いITストラテジスト試験やITコーディネータ兼中小企業診断士の資格ホルダーであったりすると、企業では昇進や昇給には確実に有利になります。

資格別でみると、ITストラテジストの平均年収が約670万円で、プロジェクトマネージャ資格保有者で平均年収550万円です。難関資格を保有していると、昇進や昇給が優位になることは間違いないでしょう。

ただし、これはITコンサルを生業とするために適した資格のため、異なる性質の職業では評価に値しない場合もあります。目指すべき職業に見合った自己啓発プランを考えましょう。

資格よりも重要なこととは?

実務経験

IT業界は慢性的に人材不足の売り手市場であるため、資格保有は年齢が若いほどアピールに繋がります。しかし、年齢を重ねるほど資格よりも実務経験で評価される傾向にあります。

それは、若いうちは既知の概念の習熟度で推し量れていたものが、経験と共に未知の概念との対峙を求められたりするなど、知識の習熟度では推し量ることのできない創造的な問題の解決を求められることになるためです。

コンサルにも専門領域がかなりの数あり、資格と実務経験の評価軸はケースバイケースです。プロジェクトの経験則と社内に溜まったノウハウの集合知の方が、公的な資格のケーススタディより、現実的で説得力があることは想像に難しくないです。

実務スキル

ITコンサルが必要とするスキルに「事業構想力」「論理的思考力」「業務改革力」「コミュニケーション力」「ドキュメント作成力」などがあり、この実務スキルを習得するために、コンサルタントは日夜、関連書籍などで知識の習得に努めています。

コンサルはケーススタディを好むため、資格というよりは、ビジネススクールや企業主催のセミナーにゲスト登壇、小単位の自己啓発セミナーの講師を務めるなどで、実務経験やスキルの棚卸しをすることで、新たな学びを得ているケースが多いです。

プログラミングスキル

プログラミングは、ITライフサイクルのどの領域を担当するかでスキルの必要有無が変わります。IT業務改革でシステム設計やアプリケーション開発が担当領域となる現場では、Java、PHP、Linuxなどのソースコードを書ける人がほとんどです。

ITコンサルでも最上流の戦略中心のコンサルであれば、プログラミングスキルは十分条件ではありますが、必須条件ではありません。

コミュニケーションスキル

コンサルの仕事は対人業務中心の仕事であるため、コミュニケーションスキルは必須の要素といえます。プレゼン能力をはじめ、課題のヒアリング力、会議体でのファシリテーションスキルを、実務経験を通じて身に着けていきたいところです。

また、セミナー等で講師を担当するなどの場数を踏むことで、伝える力に磨きをかけることができるでしょう。

まとめ

ITコンサルに適した資格と難易度を中心に解説してきました。結論としてキャリア初期の頃は、知識の成熟度や資質などを証明するうえで、資格は有用と言えますが、キャリア後期になると、資格よりもプロジェクト経験や企業が保有している希少性のあるノウハウの方を顧客は求めるようです。評価のされやすいキャリア序盤で資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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