業務委託で労災や雇用保険に加入できる?保険について解説

会社員であれば労災保険や雇用保険に加入していますが、業務委託でも引き続き加入できるのか、あらかじめ確認しておきたい方もいるでしょう。この記事では、業務委託にも労災や雇用保険が適用されるのかといった点や、再就職手当の受給方法などを紹介します。

業務委託契約について

雇用契約との違い

業務委託契約と似た言葉に雇用契約がありますが、業務委託契約と雇用契約は異なります。業務委託契約とは、相手方から業務の実施を委託され、自己の裁量のもとで業務を遂行して、仕事の成果に対して報酬を受け取るものです。

一方、雇用契約とは、会社の指揮命令のもとで報酬を受け取ることを約束して労働に従事するもので、会社と主従関係があります。

どちらも「仕事をする」という意味では同じですが、両者を取りまく環境は全く違います。

労働者として扱われない

雇用契約においては、会社の指示に従い業務を行います。賃金や休憩、休日などについても法律で定められた範囲内で、会社との雇用契約書に基づいて働くことになります。

それに対して業務委託契約は、独立した個人事業主との契約であるために労働者としての扱いとはならず、労働基準法などの様々な法律上の保護を受けることができなくなります。

業務委託契約書について

業務委託契約書を取り交わした上で業務委託契約を結ぶのが一般的ですが、そもそも業務委託契約を明確に定義している法律はなく、請負や準委任に似た意味であると解されています。したがって、業務委託契約書という名称で契約をしたとしても、使用者の指揮命令のもとで業務を遂行していて実態が労働者と変わらない場合、使用従属性が認められ、労働者としての保護を受ける余地があります。

業務委託と社会保険の関係

雇用保険と労災保険について

雇用保険とは、主として労働者が失業したときに給付を受けることができるもので、労災保険とは仕事中にケガをしたときのための保険です。業務委託契約においては労働者としての扱いを受けないので、雇用保険については原則として適用対象外となり、労災保険の適用を受けたい場合は、保険料の全額を負担して特別加入制度を利用することになります。

健康保険と厚生年金について

日本では昭和36年に国民皆保険・皆年金制度が導入され、原則としてすべての人が何らかの医療保険制度と年金制度に加入することになっています。労働者である会社員が健康保険と厚生年金に加入するのに対し、個人事業主である業務委託契約者においては市区町村が運営する国民健康保険と国民年金に加入するのが一般的となっています。

社会保険の手続きについて

国民健康保険と国民年金への加入の手続きは、最寄りの市区町村役場で行います。会社を退職して新たに加入する場合は、退職を証明するものとして離職票や社会保険資格喪失証明書の提出を求められることがあるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

また、経済的な理由で保険料を納めるのが困難な人のために、免除や猶予の制度がありますので、有効に活用するようにして下さい。

雇用保険に加入できる場合もある

雇用保険に加入できる条件

雇用保険への加入条件は、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ、31日以上雇用の見込みがあることです。例えば、業務委託として仕事をする一方、副業としてアルバイトしている場合、アルバイト先で加入条件を満たすことがあります。

たとえ本業が個人事業主であったとしても、アルバイト先で雇用保険に加入することは可能なので、条件を満たしているようであれば、アルバイト先やハローワークに確認をしてみると良いでしょう。

条件に合致しても加入できないケース

たとえ1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用の見込みがあったとしても、雇用保険に加入できない場合があります。具体的には、65歳に達した後に新たに雇用される者、4か月以内の期間を予定して行われる季節的事業に従事する者、短時間労働者であって短期雇用の者、国や都道府県などの事業に雇用される者などは、雇用保険の適用除外者となります。

失業してから再就職手当を貰う

失業してから独立しても貰える

会社を退職後に個人事業主として独立すると、もはや失業状態ではないことから、雇用保険の基本手当を受け取ることはできませんが、再就職手当の受給要件を満たす可能性があります。再就職手当とは、基本手当の受給資格者が新たに事業を開始したときに、基本手当の支給残日数に応じて、支給残日数に基本手当を乗じた額の60%~70%が一時金として支給されるものです。

再就職手当を貰うための手順

再就職手当を貰うためには、まず離職票を持参してハローワークへ行きます。
ハローワークで求職の申込みをして7日間の待機期間が過ぎた後に、税務署に行き開業届を提出します。
開業届を提出したら、開業届の控えを持ってハローワークへ行き、事業を開始した旨を伝えて再就職手当の支給申請手続きを行います。
ハローワークでの審査の後、申請が認められれば再就職手当が支給されます。

まとめ

業務委託は原則として労働者として認められないため、雇用保険や労災保険の適用を受けることができません。健康保険や年金の手続きなども、これからはすべて自分で行う必要がありますので、この機会に労働保険や社会保険への理解を深めて、加入漏れや申請漏れのないようにしてください。

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