退職金にも所得税がかかる!計算方法と控除手順まとめ

  • 2017-9-14

勤めていた会社を退職した時、気になるのはやっぱり「退職金」ですよね。退職後の生活を助けてくれる退職金は、これまであなたが会社に貢献をしてきたという証です。

しかしいざ受け取ってみると「聞いていた金額より少ない!」と驚いてしまうことがあります。明細を見てみると「所得税」が引かれていたことがわかり、予定していた退職金の使い道が変わってしまった・・なんてことにならない為に、今回はしっかりと「退職金」と「所得税」の関係について知っておきましょう。

そもそも退職金とは?

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退職金とは法律で決められている制度ではありません。会社のごとに「退職金を支払う」という制度を設けて、これまで会社の為にがんばってくれた社員への「おつかれさま」の気持ちで現金を支給します。

その為、会社の制度によってはもちろん「退職金」という概念がないこともありますのでいくらかであっても退職金がもらえる、ということはありがたいことです。

退職金の定義

退職金は会社が設けている制度ですので、その会社によって定義は異なります。在籍している会社の規約を確認して、自分の退職事由が退職金発生事由の対象となっているのかを確認しましょう。

また退職金は会社によって「退職金は○年以上勤務すれば出る」などの制約がある場合も多いのであらかじめ確認が必要です。自己都合での退職は会社都合での退職より退職金が少なくなることもありますので併せて確認をしておきましょう。

また「定年退職」「会社都合退職」「自己都合退職」だけでなく「早期優遇退職」という退職事由もあります。これは「今退職をしてくれれば本来の退職金に上乗せして退職金を出すことができるので、退職をしませんか」という会社からの働きかけによって発生する退職事由です。

この早期優遇退職の場合は通常の会社都合による退職金の1.2~1,5倍の退職金が支払われることが多いと言われています。

退職金の所得税の控除には申告書の提出が必要!

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退職金も所得のひとつのため「所得税」が課せられます。「お金が入って利益が出たのだから、利益の一部を納めてください」ということです。毎月のお給料から所得税が控除されることと全く同じことですので難しく考える必要はありません。

しかし、退職金というのは退職後の生活を支える大切なお金ですので、通常のお給料に対する所得税の計算方法と同じでは負担が大きすぎます。

そのため退職金の所得税は特別な計算方法で算出され所得税の軽減措置がとられるのですが、この軽減措置を受ける為には、退職金受取日の前日までに「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ提出する必要があります。

「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると優遇される?

「退職所得の受給に関する申告書」を提出することによって退職所得金額に合った控除がなされますので、その分支払う所得税が減額されます。

また「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば源泉徴収の申請は必要ありませんので必ず会社に提出をしましょう。尚、会社に提出した後の手続きは会社が行いますので特に控えを持っていなければならないなどの手間もありません。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出を忘れてしまったら?

もしも「退職所得の受給に関する申告書」の提出をしなかった場合は、通常の20%の税率で所得税が引かれます。その場合は確定申告をすれば正しい税率で再計算がされますので心配ありません。提出を忘れてしまった場合などは確定申告をしましょう。

退職金の所得税の計算方法は?

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では「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合、どのような計算方法で所得税が算出されるのでしょうか。源泉徴収前の退職金の収入金額と勤続年数がわかれば誰にでも計算することができますので、実際に計算をしてみましょう。

退職金の所得税の計算式

実は退職金の全額が所得税の対象となるわけではありません。まずは「所得税の対象となる金額(退職所得金額)」を求めます。

  • (収入金額‐退職所得控除額)×0.5=退職所得金額

この式で算出される退職所得金額に対して所得税が課せられます。

収入金額とは?

収入金額とは源泉徴収される前の退職金の金額です。その為既に源泉徴収をされているのであれば手取り金額に源泉徴収額を足して算出をします。

退職所得控除額とは?

これが退職金の所得税に対する軽減措置の核となります。退職所得控除額は勤続年数によって異なります。

退職所得控除額

  • 勤続年数20年以下の場合 → 40万円×勤続年数
    ※計算の結果80万円以下となった場合は80万円とします
  • 勤続年数20年を超える場合 → 800万円+70万円×(勤続年数‐20年)

尚、勤続年数は「1年に満たない○ヶ月」は1年とカウントします。

所得税と復興特別所得税の税率

所得税は退職所得金額によって税率が異なります。

  • 退職所得金額が195万円以下の場合は 税率5% 控除額0円
  • 退職所得金額が195万円を超え、330万円以下の場合は 税率10% 控除額97,500円
  • 退職所得金額が330万円を超え、695万円以下の場合は 税率20% 控除額427,500円
  • 退職所得金額が695万円を超え、900万円以下の場合は 税率23% 控除額636,000円
  • 退職所得金額が900万円を超え、1,800万円以下の場合は 税率33% 控除額1,536,000円
  • 退職控除金額が1,800万円を超え、4,000万円以下の場合は 税率40% 控除額2,796,000円
  • 退職控除金額が4,000万円を超える場合は 税率45% 控除額4,796,000円

参考:国税庁HP

復興特別所得税

復興特別所得税とは平成23年12月2日に政府より公布された、東日本大震災の被災者救済を目的とした財源確保の為の増税です。平成49年12月31日までの25年間は所得税・住民税を対象に2.1%の増税がなされます。

退職金にかかる所得税の計算例

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ではここまでに紹介した計算式をもとに退職金の所得税を算出してみましょう。

退職金20,000,000(源泉徴収前) 勤続年数21年2か月の場合の計算例

収入金額=20,000,000
退職所得控除額=8,000,000+700,000×(22-20)=9,400,000
退職所得金額=(20,000,000‐9,400,000)×0.5=5,300,000

この場合5,300,000円に対して所得税が課せられます。退職所得金額が5,300,000円であれば【退職所得金額が330万円を超え、695万円以下の場合は 税率20% 控除額427,500円】が適用されます。

所得税額=5,300,000×20%‐427,500=632,500円
復興特別所得税=632,500×2.1%=13,282円
合計=632,500+13,282=645,782円

この場合645,782円が退職金の所得税として課税されます。

まとめ

退職金はまとまった金額で入ってくるものですのでその分、数パーセントの違いでも影響が大きなものです。わからないからと言って何もせずにいると所得税を払い過ぎてしまい、その後の生活に支障が出る可能性もありますのでわからないことは事前に調べて、準備には早い段階から取り掛かりましょう。

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