遺族厚生年金とは?計算方法・加算額・受給資格をわかりやすく解説

  • 2017-9-15

遺族の生活のために、公的年金制度には遺族基礎年金の他に、遺族厚生年金という制度が設けられています。遺族厚生年金とはどういった制度なのか。条件から支給額、遺族基礎年金とは違う加算額について確認してみましょう。

遺族厚生年金とは?

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家計を支える家族が突然亡くなったら、まずは悲しみや寂しさがおそってくるでしょう。しかし、亡くなった家族の見送りが終わってひと段落すると、別の問題が発生します。お金の問題です。加入していた生命保険で一時はしのげたとしても、特に亡くなった方が家族の大黒柱であったのなら、これからどうしようという不安にさいなまれてしまいます。

そんな遺族のためにあるのが、公的年金制度の遺族年金です。ただ、遺族年金とひとくくりに言いましたが、加入している年金によって適用される年金は異なります。たとえば、遺族厚生年金が適用されるのは、厚生年金の加入者のみ。国民年金や共済年金の加入者には適用されません。なお、厚生年金に加入している場合は、遺族厚生年金の他に、遺族基礎年金が適用されます。老齢年金のような、2段階式というと分かりやすいでしょう。

遺族厚生年金の受給資格は?

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遺族厚生年金は、亡くなった人が遺族厚生年金の支給要件に該当すること、さらに遺族が対象者に該当する場合で初めて受給することができるものです。家族が亡くなったからと言って受給できるものではありません。支給要件、対象者それぞれについて確認してみましょう。

遺族厚生年金の支給要件は、3つの条件の内いずれかに該当する場合に支給要件を満たすことになります。

  1. 被保険者死亡または被保険者期間中の傷病のために初診の5日以内に亡くなった場合
  2. 老齢厚生年金受給資格期間が25年以上あって亡くなった場合
  3. 1級または2級の障害厚生年金を受けている人が亡くなった場合

1つ目のケースでは、2026年4月1日よりも前に65歳未満で亡くなった場合、死亡の前々月からさかのぼって1年以内に未納がなければ受給できます。2026年4月1日以降は遺族基礎年金同様に国民年金加入期間の3分の2は保険料を納付していなければなりません。ここまで見ると、範囲の狭い遺族基礎年金と比較して、遺族厚生年金は受給しやすいことが分かります。

次に、受給対象者です。対象者は妻と18歳未満もしくは20歳未満で障害認定を受けている子または孫、そして55歳以上の夫、父母、または祖父母です。いずれも亡くなった人によって生計の維持があったかどうかがポイントになります。いくら該当する親族でも、生計を一にしていない場合は対象になりません。また、子のいない妻でも有期で受給できるのが遺族厚生年金のポイント。遺族基礎年金よりも対象者は広くなります。

遺族厚生年金の計算方法は?

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遺族厚生年金の支給額は、基本は以下の計算式を用いて算出します。

(平均標準報酬月額×(7.125÷1000)×2003年3月までの被保険者期間月数)+
(平均標準報酬月額×(5.481÷1000)×2003年4月以後の被保険者期間月数)

計算した額が1994年の水準と比較して低い場合は、1994年の基準で再計算されます。なお、遺族厚生年金の計算で用いられるのは、厚生年金被保険者の平均的な月額と加入していた期間です。

そのため、人によって受給できる金額は異なります。実際遺族基礎年金の対象にも該当する場合は、遺族基礎年金の一定額を受け取ることができるので、遺族基礎年金に月額報酬分が加味されて、支給されるというイメージです。

受給額が変化する寡婦加算とは?

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遺族基礎年金の要件に該当する場合、遺族年金として厚生年金加入者は、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取ることができます。しかし、2つの遺族年金のうち、遺族基礎年金は残された子が対象となるもの。

子が成長して、自立すると、これまで支給されていた遺族基礎年金はストップし、途端に受け取れる額が激減してしまいます。寡婦加算は、そんな遺族基礎年金のしくみをカバーするために設けられているものです。寡婦加算には中高齢寡婦加算と経済的寡婦加算があります。

中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算は、40から65歳の妻を対象にした寡婦加算です。夫が亡くなった時点で40歳以上でかつ子どもがいない場合、または子どもが上限の年齢を超えて遺族基礎年金がストップしてしまった場合に加算されます。

経済的寡婦加算

中高齢寡婦加算ではカバーされない、65歳以上の妻を対象にした制度です。65歳以上の老齢期を迎えても加算分を受け取ることができます。なお、老齢厚生年金は被保険者が対象となるため、遺族厚生年金を受ける家族で65歳以上の場合は、老齢基礎年金と遺族厚生年金を受給することとなります。

まとめ

もしも突然、家族の大黒柱が亡くなっても経済的な理由で困窮しないように保障として設けられているのが遺族厚生年金です。遺族厚生年金は、遺族基礎年金と比較して、受給できる対象者が広く、さらに寡婦加算が設けられており、遺族基礎年金のカバーも行っています。

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