「ある」の敬語は?「あられる/おありになる/ございます」の正しい使い方

  • 2017-9-18

ビジネスに限らず、正しい敬語が使えることは社会生活全般において、とても大切です。言葉遣いで、人格をジャッジされてしまうこともあります。日本語は、さまざまな種類の敬語があり混乱しがちですです。

目上の人を敬う表現で、「相手を立てたいとき」に使う尊敬語、自分をへりくだる表現で、「自分を下げることで相手を立てたいとき」に使う謙譲語。また、一番日常的によく使われる「です、ます」をつける丁寧語は、相手を問わず使える表現です。使い分けが難しい敬語ではありますが、その分使いこなすことができれば、大人としての品格が上がります。今回は、存在をあらわす「ある」について、正しい敬語の使い方を学んでいきましょう。

「あられる」は間違い?「ある」の正しい敬語

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存在をあらわす「ある」の正しい敬語の活用法はご存知ですか?「ある」を丁寧に言おうとして、よく見られる間違いが「あられる」。「ある」の尊敬語は「あられる」ではなく「おありになる」です。

確かに「あられる」という尊敬語は存在します。ただし、「あられる」は、とても強い尊敬表現になるので、王様、天皇、高名な学者といった人物に相応しい表現となります。よって、「こちらはノーベル賞を受賞された学者様であられる」という場合は、正しい表現です。

しかし普段、こういった方々と出会う機会はそうそうありません。また、「ご質問はあられますか」「ご不便な点はあられますか」という風に使われることもありますが、こちらも間違いです。相手が貴族や王族でない限りは過剰な尊敬語と捉えられてしまいます。では、「ある」はどのような表現をすれば正しい敬語になるのでしょうか?「ある」の敬語の活用方法を見ていきましょう。

尊敬語ーおありになる
謙譲語ー無
丁寧語ーあります・ございます
・あります=「ある」+丁寧の助動詞「ます」
・ございます=尊敬語「ござる」+丁寧の助動詞「ます」

上記のようになります。「ある」には謙譲語は存在しません。丁寧語の「あります、ございます」は、日常的に頻繁に使用される敬語です。次の章で、「ある」の敬語の正しい使い方を見ていきましょう。

謙譲語はなし?「ある」を丁寧語で表現すると

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「ある」の敬語は、実際、どのように使われるか、例を交えて見ていきましょう。

「ご質問はあられますか」の言い換え

先ほど出てきた「ご質問はあられますか」は「ご質問はおありですか」「ご質問はございますか(ありますか)」と言い換えることができます。この場合、尊敬語を使用した「おありですか」は、特定の尊敬の対象を意識しているニュアンスとなります。

一方で、丁寧語の「ございますか」は、特定の相手を想定しない、中立的な表現となります。よって、特定された目上の人物に問いかける場合は「ご質問はおありですか」、聴衆全体に問いかける場合は「ご質問はございますか」のほうが自然な表現といえるでしょう。

「あります」「ございます」の使い分け

丁寧語の「あります」「ございます」の使い分けについて見ていきましょう。「あります」と「ございます」に意味の違いはありません。しかし、自分が相手との距離をどこに置きたいかで、使う表現を選択することをお勧めします。例えば企業のイメージとして高級感や丁寧さを出すには「ございます」、お客様との近さを表現するには「あります」を使えば、心理的な距離を言葉によって左右することができます。

「ございます」の活用方法

ここでもう一つ知っておきたいことは、「ございます」の活用方法です。多くの人が「ございます」の表現に関して、勘違いしているようです。「奥様はお元気でございますか」「お二人様でございますか」と尋ねられると、謙譲語を使用されたと不快に思う方もいるようですが、これは正しい敬語です。

「ござる」は誤解されやすい語の典型で、謙譲語と思われがちですが、立派な尊敬語です。しかし、誤解を招かぬよう「いらっしゃる」を用いる方が賢明かもしれません。「お二人様でいらっしゃいますか」「お元気でいらっしゃいますか」とした方が、より良い印象を与えるでしょう。

「おられる」という表現

ここで注意したいのが、「おられる」という表現についてです。先ほど「あられる」とは、普段は滅多に使うことのない敬語表現だと述べました。「あられる」に似た表現、「おられる」は、こちらも同じように存在を表す言葉です。

一般的に「おる」の謙譲語として使用されますが、地方によっては尊敬語としても使用されます。この「おられる」は「あられる」と混同しやすいので注意しましょう。一般的な使い方としては、謙譲語として「私がおります」や「弊社には部下が待機しております」などがあります。

ビジネスメールや電話での「ある」の使い方

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ビジネスメールでよく見かける「お時間はありますでしょうか?」「ご質問はございますでしょうか?」という表現は、適切ではありません。二重敬語と呼ばれる言い回しで、回りくどく過剰な敬語とされています。相手に対して丁寧に対応したい時、目上の人に対する連絡など、普段よりもさらに気を使う相手に対して、二重敬語はうっかり使用しがちです。

この間違いを犯さないポイントは、敬語は一つで十分ということを念頭に置いておくことです。すでに敬語になっている言葉に、同じ種類の敬語を重ねる必要はありません。「お時間ありますか?」「ご質問ございますか?」は十分に敬意を込められた、適切な表現です。過度な敬語によって意味を通じにくくし、逆効果になるのを避けましょう。

 まとめ

敬語は相手に対する敬意を表す一つの手段です。今回、取り上げた「ある」のように、混乱しがちな言葉もいくつか存在します。しかし、使いこなすことが出来れば、相手に自分の思いをより深く伝えることができ、良好な関係を築く助けとなります。自分が使っている敬語が正しいかどうか自信がなくなったら、ぜひ今一度、確認してみてください。

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