ビジネスシーンで遣う「色々」、その遣い方は正しい?

  • 2017-12-1

私達がお世話になった時に何気なく遣っていることば「色々とありがとうございました」「色々と勉強になりました」は話しことばです。ビジネスにおいて、メールや手紙文で遣うと、受け取る人によっては違和感を覚えることになります。ではどのような表現をしたら良いのでしょうか。

「色々とありがとうございます」はNG?使い方は


色々とは、何が色々なのか。語源は「色(いろ)」から来ています。赤・黃・青の三原色が混ざり合い、その他の色を生み出すことから、形が同じものでも、色や様子が異なるものを並べて「色々(色々)」と表現します。

先に上げた「色々とありがとうございました」は、関わったことのすべてにに対して感謝していると受け止めることができます。しかし、その中でもあなたがどの部分に感謝しているのかを付け加えると、もっと思いが伝わります。

例えば

「色々ご指導いただき、ありがとうございました」
「色々と資料をご提示いただき、ありがとうございました」

という表現した方が、より具体的な内容が伝わります。とっさに具体的な内容が思いつかない場合は、「色々とお気遣いいただき、ありがとうございました」と言えば最初の表現よりは、かなり良くなります。

お世話になった方に、最後には必ずお礼と感謝のことばを伝えるのですから、振り返って特にどの内容について述べるかを準備しておけると、より感謝の気持ちが伝わるでしょう。

似ている「様々」「諸々」の使い分け


実は「色々」は話しことばではあっても、敬語ではありません。ですから、聞き手によっては違和感を持つ人もありますので、できれば「色々」を遣うのは避けたいものです。ではどう言ったらよいのか、同意義語として他のことばを確認しておきます。

諸々(もろもろ)

「諸」というのは「おのおの、めいめい」という意味があります。ある一つのもの(こと)を含め、他にも異なるもの(こと)が複数ある状態をまとめた全体を総称した言い方です。「色々」の代わりにビジネスの場面ではよく遣われることばです。用法としては次のように遣います。

例1 「必要なものについては諸々準備しております」
例2 「ご質問いただきました諸々の事項につきましては、今週中にメールにてご回答いたします」
例3 「弊社よりご提案させていただきました諸々の件についてご審議いただきましたこと、心より感謝申し上げます」

いかがでしょうか。文中の「諸々」は「色々」に替えても意味は変わりませんが、注意点があります。「色々」の後には「なもの」「なこと」と続きますが、「諸々」の後は「のもの」「のこと」が続くことです。

決して「もろもろなこと」とはなりませんので注意が必要です。ただ、「色々あります」「もろもろございます」と「の」も「な」も付けない表現もあります。普段あまり遣わない言い回しですが、慣れれば自然と出てくるようになります。日頃から意識しておきましょう。

様々(さまざま)

これも同意義語で、よく遣うことばです。「諸々」と「色々」の間にあることばといえます。「様」ということばには「ありさま、様子、状態」の他に「すがた、かたち」という意味があるので、姿や形が異なるものがいくつかある時に遣います。

例えば次のような用法です

例1「弊社はおもちゃからジェット機まで様々な商品をとりそろえております」
例2「ここにありますのは世界各地から集めました様々な民芸品でございます」

ここでも確認しておきたいのは、「様々な」と続くことです。いずれも同意義語ですから、大きな違いはないと言えます。しかし厳密には前述したとおりの意味があるので、その違いを知っておくと、より自然な表現ができるでしょう。ただ前述したとおり、ビジネスの場面では「諸々」を遣っておくほうが無難です。

「色々」をメールで遣うときに注意したいこと


前述したとおり、「色々」はビジネスの場面では遣うべきではありません。どうしても遣いたい場合は「色々」と感じで表現するより「色々」とかなで表記する方が、文がやわらかくなるので良いでしょう。

文書やメールでも敬語やマナーは重要です。たった一言で取引が中止になってしまった、ということが無いように一言一句に心配りをしましょう。場合によっては「色々」を遣わなくても済む表現も可能です。

例1「日頃から色々お世話なっております」
→「平素は何かとお世話になっております」

例2「毎回色々と助けていただき、本当にありがとうございます」
→「平素は何かとご支援いただき、深く感謝申し上げます」

例3「色々な事情をご賢察のうえ、ご了承くださいますようお願い申し上げます」
→「諸々の事情をご検察のうえ、ご了承くださいますようお願い申し上げます」

この例3は「色々」を「諸々」に替えただけです。他の言い回しを思いつかない場合は、諸々を遣うだけでビジネス文書としてはより自然になります。

まとめ

いかがでしたか。日ごろ遣い慣れたことばも、ビジネスシーンではどちらかという遣わない方が良いケースがあります。敬語だけでも細かいルールがあることはご存知のとおりです。しかし一歩一歩階段を登るようにひとつずつ身につけていけば自在に使いこなせるようになるはずです。

ページ上部へ戻る