賞与の所得税の源泉徴収の計算方法とは?前月給与を基準に算出

会社によっては賞与が発生することも少なくありません。年に数回しかない賞与だからこそ、なにをどれくらい天引きされているのか押さえておきたいもの。賞与にかかる源泉徴収額はどのように算出するのか、計算方法をご紹介します。

そもそも「賞与」とは


一般的には、賞与またはボーナスという名称で受け取ることの多い賞与。実は、健康保険法、および厚生年金法では、賞与やボーナスでなくても、どんな名称でも良いことになっています。つまり、手当や俸給、給与であっても法の定める賞与の性質を持っていれば、賞与になるということ。

賞与の定義は、法によると3月を超えるもの、つまり年3回以下の頻度で支給されるものになります。毎月受け取る労働への対価は賞与には該当しない訳です。

なお、賞与は毎月発生する一定のルールのもとによって支払われる給与とは性質が全く異なるもの。賞与の計算は、事業主と労働者間で自由な取り決めが可能です。もちろん、会社の基準に満たない、業績が悪いなど、賞与を支給しなくても問題ありません。また、労働基準法によると、契約にあたり賞与に関しては労働者に明らかにしなくても良いことになっています。

賞与から源泉徴収される所得税の税率は前月給与が基準


賞与では、住民税を除く、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料、そして源泉徴収税が天引きされます。賞与だからとまるまる貰えるわけではない点には注意したいです。

なお、賞与の源泉徴収税額は以下のように計算します。
社会保険料控除後の賞与の額 × 税率

通常給与では月額計算表に当てはめて計算しますが、賞与では「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を用いて計算する点に注意したいです。表は、国税庁のサイトから確認できます。

それでは実際の賞与の源泉徴収額を計算してみましょう。
賞与額50万円、月25万円の給与を受け取っている場合。(いずれも社会保険料控除後の額とする。)扶養親族は0人。

平成29年度分の表を確認すると、月25万円の給与の場合、扶養親族0人だとすると、上から3番目の7万9千円から25万2千円のグループに該当します。表の左側を確認すると税率は4.084%。実際は、この表によって算出された税率を賞与額にかけて計算します。
500,000 × 4.084% = 20,420円

なお、今回は扶養親族0人の場合でしたが、扶養親族2人以上の場合は、月25万円の給与であるとワンランク下の税率になります。

給与月25万円、扶養親族2人、賞与50万円の場合。(給与・賞与いずれも社会保険料控除後の額)
税額表で見ると、13万3千円から26万9千円に該当するので税率は2.042%。
500,000 × 2.042% = 10,210円

前月給与なしの場合の所得税の源泉徴収額は?


中途で入社した場合や不定期で仕事をしている場合は、前月の給与なしという状況が発生することがあります。前月の給与がない場合は、賞与時の源泉徴収額の計算が通常と異なってくるので注意したいです。

まず大きく異なるのが、使用する表。賞与では、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用すると紹介しましたが、前月の給与がない場合は「給与所得の源泉徴収税額表」を使用します。

たとえば、賞与を半年を超えない頻度で受け取っている場合は、賞与を6で割った金額が基準額です。60万円(社会保険料控除後)の賞与を受け取っている場合は、10万円が基準となります。平成29年度の月額税額によると、10万円で扶養親族0人の場合の源泉徴収税は720円です。この720円を6倍に直すと、4,320円。前月の給与がない場合の賞与での源泉徴収税額は4,320円です。

なお、注意しなくてはならないのは前月の給与がないときだけではありません。賞与が前月の給与の10倍を超える場合も注意が必要です。特に営業職など、個人の成績に左右されるようなボーナス形態の場合、通常の給与をはるかに上回る額が支給されることもあるので、しっかり押さえておきましょう。

それでは、社会保険料控除後の金額がそれぞれ、賞与600万円、月の給与50万円、扶養親族2人であった場合です。
まず、前月の給与がなかったときと同様に賞与の額を分けます。半年以内に賞与があったと仮定して6で割ります。
6,000,000 ÷ 6 = 1,000,000
次に賞与を6で割った数字に、社会保険料控除後の月の給与を加算します。
1,000,000 + 500,000 = 1,500,000

平成29年度の月額表に当てはめると、108,320円です。
このままだとひと月分の税額になってしまうので、6倍に戻します。
108,320 × 6 = 649,920円

649,920円が源泉徴収として差し引かれる金額です。1割以上が源泉徴収税として差し引かれることが分かります。先ほどご紹介した前月の給与がない場合の計算と少し似ていますが、前月の給与も組み入れる必要があるという点は注意したいです。

まとめ

一般的に、賞与の計算は賞与用の源泉徴収税額表を用いて計算されることが多いです。自分でも確認できるので、不安な場合は社会保険料控除後の前月の給与と賞与額を用意して試算してみましょう。なお、前月の給与がない場合、または賞与が前月給与の10倍を超える場合は別の計算となるので注意しましょう。”

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