合同会社の資本金は0円でも可能?出資額の考え方や増資の方法

  • 2017-11-1

株式会社に比べ設立コスト、ランニングコストを低く抑えられる合同会社。個人事業主から一歩進み、法人成りやベンチャー企業設立を考えている方には魅力的な企業形態です。いざ合同会社を設立しようとなった際、資本金はどのくらいに設定すれば良いのでしょうか?今回は合同会社の資本金に着目し、その特徴を解説します。

■合同会社の資本金はいくらが妥当?

合同会社設立で資本金の最低額は決められていない

新会社法の下、資本金の最低額についての規制が撤廃されました。法律上資本金1円でも会社を設立することは可能ですが、実際にはある程度の資本金を設定する場合が一般的です。自由度の高さゆえ、逆にいくらの資本金を用意すればいいのか悩むところでもあります。資本金の額を決める基準・目安について考えていきましょう。

社員が全員出資

合同会社の特徴として、合同会社の社員は出資者でもあります。社員は原則として会社の業務執行をする役員を兼ねることになり、少なくとも1円以上の出資が求められます。ちなみに、現金以外にも不動産や自動車といった財産で出資することも可能です(現物出資)。
資本金の額が多ければ、それだけ会社の信用にもつながります。その一方で、資本金の額が多くなればなるほど出資者の負担は増していきます。経営の自由度が高く、法人化のハードルが低い合同会社のメリットを活かすためにも、適切な資本金の額を見極めたいところです。

必要な運転資金から考える

資本金の額を決める際、基準となるのが設備投資と運転資金です。オフィスを借りる場合の取得費、内装工事費や消耗品費、人件費、通信費など、会社経営にかかる費用は多岐に渡ります。会社を設立してすぐに事業が軌道に乗るかどうかは分かりません。最低でも6ヶ月分くらいの運転資金が賄える資本金を準備しましょう。
また、事業内容が許認可事業であるか否かも重要です。例えば建設業の場合は「自己資本の額が500万円以上あること、又は500万円以上の資金調達能力があること」、人材派遣業であれば「資産の総額(繰延資産、営業権を除く)から負債の総額を控除した額(=基準資産額)が2,000万円以上であること」が求められます。

■合同会社は資本金0円でも設立可能

出資金をすべて、資本剰余金にすれば資本金0円でも可能

合同会社を設立(または増資)する場合、出資された額のうちいくらを資本金に計上するのか制限はありません。例えば出資された金額が100万円の場合、計上の内訳を資本金0円、資本剰余金100万円とすることも可能なのです。
資本金を0円にすることのメリットに、登録免許税の回避があります。合同会社の設立登記時に納める登録免許税は資本金の額により異なりますが、資本金額に1000分の7を掛けた金額が6万円に満たない場合、登録免許税は一律6万円です。しかし計算結果が6万円以上になる場合は、それに応じた税率の登録免許税納付が求められるのです。
登録免許税を抑える以外に、資本金を低めに設定するメリットがあります。例えば消費税。資本金が1,000万円未満の場合、法人設立後1期目と2期目の消費税が免除されるのです。また、法人住民税も資本金1,000万円を境に税率が変わってきます。

後日、資本剰余金を資本金に組み込むこともできる

これらの節税メリットは魅力的ですが、資金調達や外部からの信頼性向上のために資本金の額を増やしたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。会社の発展に伴って増資することは、会社の成長を表す指標にもなります。
資本剰余金から資本金への組み入れは、別段の定めがない限り業務執行役員の決定により実行できます。業務執行社員が複数名いる場合は、その過半数の合意が必要です。

■合同会社の資本金を増資するには

登記が必要

新たな出資により資本金の額を増加させようとする場合、その方法は後述の2パターンです。どちらの方法を採るにせよ、必要な手続きが登記です。但し、増資させた全額を資本剰余金に計上する場合には、登記事項である資本金の額は変わりませんので変更登記の申請は必要ありません。

既存社員による増資

既存社員(すでに出資している業務執行者)が追加で出資する方法です。この方法の場合、変更登記には下記の書類が必要です。

(1)出資の価額を増加した定款の変更にかかる総社員の同意書
(2)業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面
(3)払込証明書
(4)資本金の額の計上に関する証明書
(5)変更登記申請書

これらの書類に加え、登録免許税として増資金額の1,000分の7(その金額が3万円未満の場合は3万円)を納付します。

新たな社員による増資

もう1つの方法は、新しい社員(新規に出資する者)を追加し増資するやり方です。合同会社においては社員=業務執行役員になります。合同会社の社員になるには出資が条件となるため、結果的に増資を伴うのです。
この場合、変更登記に必要な書類は下記の通りです。

(1)出資の価額を増加した定款の変更にかかる総社員の同意書
(2)業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面
(3)払込証明書
(4)資本金の額の計上に関する証明書
(5)変更登記申請書

既存社員による増資の場合と同じく、これらの書類の他に登録免許税がかかります。納付額の計算方法は増資金額の1,000分の7(その金額が3万円未満の場合は3万円)ですが、これに加えて社員(役員)追加分の登録免許税1万円が別途かかりますので、注意しましょう。

例外として、他の既存社員から持分を譲り受ける形で新しい社員が増える場合があります。その際は資本金の変動がありませんので、増資は伴わないことになります。

まとめ

2006年の会社法施行以降、合同会社の認知は少しずつ高まり、設立登記の件数は年々増加傾向にあります。コスト・税制上のメリットが多い合同会社。それらのメリットを最大限活かすためにも、資本金の設定や増資のポイントをしっかりと押さえ、会社運営に役立てて下さい。

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