青色申告特別控除とは?適用条件と各種メリットを紹介

  • 2017-11-6

確定申告で青色申告を選択する場合、一定の条件を満たすことにより、特別控除を受けることができます。特別控除には2種類あり、それぞれ具体的な適用条件も異なります。青色申告特別控除に興味がある方に向けて、ぜひ知っておきたい情報と、節税効果などメリットを紹介していきましょう。

青色申告特別控除は2種類!所得税の節税メリットを具体例で検証

青色申告特別控除とは、青色申告制度における特典のひとつで、所得税を算定する際に、課税所得金額から一定の金額が控除してもらえる制度です。控除される金額によって、10万円と65万円の2種類に分かれています。本制度の大きなメリットのひとつとして、所得税の節税効果が挙げられます。以下、具体的な例で確認していきましょう。

設例の前提条件

  • 小売業を営む個人事業主で、青色申告特別控除前の課税所得は350万円とする。
  • 所得税率および控除額は、国税庁の「所得税の速算表」による。

例1:青色申告をしない場合(=白色申告の場合)

所得税額=課税所得350万円×所得税率20%-控除額42.75万円=27.25万円

例2:青色申告特別控除10万円が適用される場合

所得税額=(課税所得350万円-青色申告特別控除10万円)×所得税率20%-控除額42.75万円=25.25万円→例1より2万円の節税!

例3:青色申告特別控除65万円が適用される場合

所得税額=(課税所得350万円-青色申告特別控除65万円)×所得税率10%-控除額9.75万円=18.75万円→例1より8.5万円、例2より6.5万円の節税!

青色申告特別控除65万円の適用条件

所得税の節税メリットをより多く得られるよう、65万円の青色申告特別控除を選択するには、以下の条件を全て満たす必要があります。各項目の詳細は以下のとおりです。

条件1:所得の種類

「事業所得」および「不動産所得」を得ている人が適用対象です。個人事業主であれば、たいていの場合、本条件を満たすことができます。適用対象外となるケースとしては、山林所得のみの事業者、一定規模に満たない不動産貸付業を営む事業者などが代表例です。

条件2:正規の方法による会計帳簿の作成

会計帳簿の作成は、「正規の簿記」の原則、すなわち複式簿記のルールに則って行わなければなりません。会計や簿記の知識があまりない事業主の場合には、複式簿記に対応している会計ソフトを利用すれば、この条件をクリアすることができます。

条件3:法定期限内の確定申告

確定申告に必要な書類を作成し、国税庁が公表する申告期限までに提出しなければなりません。すべての決算書類が整えられていても、提出期限に間に合わない場合には、青色申告特別控除65万円の適用対象外となります。確定申告期間は、基本的に毎年2月16日~3月15日の1ヵ月間です。

青色申告特別控除10万円の適用条件

前章で紹介した青色申告特別控除65万円の適用条件が1つでも満たせない場合には、その代わりとして10万円の特別控除が適用されることとなります。具体的な適用条件は、以下の通りです。

条件1:全5種類の帳簿の作成・保管

標準的な5種類の帳簿として、「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」が挙げられます。いずれも、法定保存期間は7年です。各帳簿の具体的な作成方法については、国税庁の手引きを参照しましょう。

条件2:帳簿の作成は簡単な記帳方式で対応可能

本格的な会計帳簿の作成方法である複式簿記によらず、日々の科目ごとの合計額を一括して記載するような簡便法によって、帳簿を作成することが認められています。

条件3:山林所得も控除対象に含まれる

事業所得および不動産所得の金額に加え、山林所得の金額も青色申告特別控除の対象に含むことができます。ただし、3種類の所得の合計額が10万円に満たない場合には、その合計金額が控除可能な上限となります。

青色申告特別控除のその他のメリット

青色申告特別控除を選択した場合、所得税の節税以外にも知っておくべきメリットがあります。項目とその概要について、簡単にご説明しておきましょう。

メリット1:住民税を安く抑えることができる

住民税の計算時には、所得税の場合と同様、課税所得に青色申告特別控除の金額を差し引きしたあとの金額が使用されます。したがって、青色申告特別控除の金額に、住民税率(10%)を掛けあわせた金額分だけ、負担を軽くすることができます。

メリット2:国民健康保険料の負担額も軽減できる

国民健康保険に加入している個人事業主等は、国民健康保険料(国民健康保険税)の支払い額も安く抑えることができます。具体的には、青色申告特別控除の金額に、所得割額の算出に適用される税率を掛けた金額分だけ、保険料の削減が可能です。

まとめ

65万円の青色申告特別控除を選択した場合、その節税メリットは最大となります。しかしながら、一方で、10万円の青色申告特別控除を選択すれば、会計帳簿の作成などを簡単に済ませられるメリットがあるのも事実。したがって、総合的に考えながら、どちらの青色申告特別控除を選ぶべきか判断しましょう。

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