「くれる」を尊敬語にすると?謙譲語や丁寧語は?

  • 2017-11-22

クライアントや、目上の方が何かを「くれた」時、あなたはその事をどんな言葉で表現しますか?形の有る無しに関わらず、人から何かをもらうということは良くあることです。そこで、今回は「くれる」「くれた」という言葉を尊敬語にするとどうなるのかについて解説します。さらに「くれる」の謙譲語や丁寧語についても見てみましょう。

「くれる」の尊敬語は「くださる」


まずは、尊敬語・謙譲語・丁寧語の基本的な違いを説明します。

尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いとは

尊敬語とは相手を「引き立てる」言葉です。相手が何かを食べることを「召し上がる」、何かを言うことを「おっしゃる」というように、尊敬語を使うことによって相手が自分よりも上の位置に存在していることを表します。

逆に謙譲語とは、自分が「へりくだる」言葉です。相手のところへ出かけて行くことを「参ります」、何かを借りることを「拝借します」などの言葉で、自分が相手よりも下の立場であるということを表します。

ちなみに、丁寧語とは「お、ご、~ます、~です」のように、その言葉を付け加えることで、言葉を丁寧にすることができるものを指します。電話を「お電話」・連絡を「ご連絡」などとして、耳障りの良い言葉にするためです。

「くれる」を尊敬語にするとどんな言葉になる?

話しを戻すと、今回の主題である「くれる」を尊敬語にすると「くださる」という言葉になります。「〇〇をくれる」は「〇〇をくださる」となりますし、「〇〇をくれた」は「〇〇をくださった」と過去形にすることも可能です。

相手が自分と同等または目下であれば、尊敬語は使いませんので「〇〇をくれる」「〇〇をくれた」という言い方のままです。

また、「くれる」という言葉の主語は、常に自分以外の人になりますので、自分が相手に対して何かをあげたり、行動を起こしてあげる時には使用しません。

物語などでは「〇〇をくれてやる」「〇〇してくれる」など、自分が提供するものや行動に「くれる」を使っていることもありますが、これは相手をさげすむ表現となり、日常生活では使用しないため、ご注意ください。

実際に「くれる」はどんな場面で使える?

「くれる」の対象は「もの」だけではない

実際にどんな場面で「くれる」という言葉を使うのか、例を交えて見てみましょう。主には、相手から「何か」をもらった時に使います。

・〇〇様が梨をくれる→〇〇様が梨をくださる
・〇〇様が梨をくれた→〇〇様が梨をくださった

・〇〇様が梨を送ってくれる→〇〇様が梨を送ってくださる
・〇〇様が梨を送ってくれた→〇〇様が梨を送ってくださった

・資料に目を通してくれる→資料に目を通してくださる
・資料に目を通してくれた→資料に目を通してくださった

・心配してくれる→心配してくださる
・心配してくれた→心配してくださった

このように、「くれる」の対象は常に「もの」とは限りません。相手の動作や行為に対しても使われます。それぞれ原形と過去形がありますので、使い分けることで、聞いた人が状況を把握することもできるのです。

また、「くださる」「くださった」という尊敬語を使うことで、相手の言動に感謝の気持ちを持っていることも伝えることができます。

「くださる」を言い換えると


「くださる」「くださった」という言葉を、他の言い方にしてみましょう。言い換えとして相応しい言葉は「いただく」「いただいた」です。

・〇〇様が電話をしてきた→〇〇様からお電話をいただいた
などと使うことができますので、電話をくれた〇〇様の行為に感謝していることを言葉に表すことができます。

「くださる」と「いただく」はほぼ同じだが厳密には違う

「くださる」「いただく」は、役割としてはほぼ同じですので、相手からもらったものや言動に対して都度言い換えても特に問題はありません。

しかし、正確には「くださる」と「いただく」には違いがあります。

・相手が自発的にした言動や、自発的にくれたもの→くださる
・こちらが要求したことによって発生した言動やもの→いただく

「くださる」の原型は「くれる」ですので、何かをくれるきっかけが相手側にあることが通常です。相手の気持ちや都合によって発生しているので「くださる」「くださった」となります。

一方、「いただく」はこちら側の気持ちや都合によって発生しているので、こちら側が主体となった「もらう」を使うこととなり、もらうの尊敬語は「いただく」ということになります。

一般的には、相手からの行為や言動に対して「くださる」「いただく」のどちらを使用しても問題無い場合が多いです。ただし、相手によっては使い分けた方が無難な場合もありますので、覚えておくと良いでしょう。

「くれる」の謙譲語や丁寧語は?


「くれる」の尊敬語についてを前章では解説してきましたが、謙譲語や丁寧語についても見てみましょう。

「くれる」の謙譲語は存在しない

「くれる」という言葉の謙譲語はありません。それは「くれる」という言葉の主語に自分が入ることはありえないからです。「私があなたに本をくれる」ではおかしいということです。そのため、言い方としては「あなたが私に本をくれる」または「私があなたに本をあげる」となります。

つまり、自分が誰かに何かを「くれる」という表現は無いのです。そのため、自分の動作をへりくだらせる謙譲語は存在しません。

自分の言動を謙譲語を使って表したいのであれば、「本を差し上げる」など、別の動詞を元にした言葉を使うようにしてください。

「くれる」の丁寧語とは

「くれる」の丁寧語は「ください」です。「連絡をくれるように頼みたい」ということは「ご連絡ください」などの丁寧語を使って伝えることができます。

言い切りの語尾が気になるようであれば、「ご連絡いただけますよう、お願いいたします」などの言葉を使って、相手の行動を促す表現も良いです。

まとめ

いかがでしたか?敬語は全体的にとても難しいものですし、とくに「くれる」「もらう」を尊敬語で表現しようとすると、何と言えば良いのかわからなくなってしまうものです。しかし、一度知ってしまえばすぐに慣れて使うことができますので、ぜひ身近な人への尊敬語から始めてみましょう。

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