任意継続するべき!?退職後の健康保険はどうする?

  • 2017-11-29

会社から貰う給与明細に載っている社会保険料について、深く考えたことはあるでしょうか。会社を退職してから、社会保険料のインパクトの大きさに気づいたという方もいることでしょう。ここでは、社会保険のうち退職時の健康保険の扱いについて解説します。

まず健康保険の種類を確認する


退職前の会社で加入していた健康保険がどんなものなのか、あまり意識したことがないという方は多いのではないでしょうか。

今まで自分がどんな恩恵を受けていたのかを知らずに退職すると、退職後に思わぬ負担を強いられる事態にもなりかねません。そこで、おさらいの意味で健保について簡単に分類していきます。

職域保険

サラリーマンが入る健康保険です。一般のサラリーマン以外では公務員もここに含まれます。
・協会けんぽ(協会健保)
・組合健保
・国家公務員共済
・地方公務員共済

職域保険とは、上記のようなものがあります。

地域保健

いわゆる「国民保険」です。上記の職域保険に入れない人はここになります。自営業の方などが対象です。

後期高齢者医療制度

職域・地域保健加入者も、75歳になると後期高齢者医療制度の適用を受けることになります。

退職後の健康保険の3つの選択肢


退職後の健康保険には、以下の3つの選択肢が用意されています。

  1. 健康保険任意継続
  2. 国民健康保険
  3. 家族の健康保険に入る

それぞれの手続き先は下記の通りです。

健康保険任意継続は2つに分かれ、まず協会健保に加入していた場合は、住所地を管轄する協会健保支部にて手続きです。次に各健康保険組合に加入していた場合は、各健康保険組合ヘ相談してください。

国民健康保険は、居住地の市町村の国民健康保険係へ相談します。また、家族の健康保険に入る場合は、被保険者の勤務先に相談です。それでは、3つのうちどれを選んだら良いのかについて次章で解説します。

退職後の健康保険の任意継続とは

任意継続の条件

多くの退職者が選択するのが任意継続となっています。

この制度は会社を退職し被保険者の資格喪失をした際に、これまで加入していた組合健保や協会健保に引き続き加入し続けられるというものです。任意継続を利用する場合、下記2つの要件を満たしていることが必要です。

  1. 資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があること
  2. 資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること

任意継続被保険者になると、在職中と同様の保険給付が受けられます。

任意継続の期限

任意継続の加入期間は2年です。

任意継続で保険料は2倍

任意継続は、労使で折半していた保険料が全額が自己負担となるので、保険料はそれまでの約2倍になります。組合健保に加入していて優遇料率を受けていた人は、さらに負担増ということもあり得ます。

国民保険の保険料や手続き方法

国民健康保険の加入手続き

国民健保に加入するには、退職から14日以内に市区町村役場・国民健康保険の窓口まで、身分証明・印鑑・喪失資格連絡票を持って行き手続きしてください。なお、手続きを忘れても「国民皆保険制度」であるため、退職日の翌日から国民健保に入ったことになっています。

保険料は自治体によって異なる

国民健康保険の保険料は自治体によって違います。例えば、東京都大島町で年収300万円の独身者の保険料は112,640円ですが、同じ条件を葛飾区で計算してみると174,324円となってくるのです。

任意継続と保険料を比較してみる

東京都世田谷区で35歳、妻と子2人の場合の国民健康保険料は年で約360,400円です。これに対して、協会健保で任意継続をした場合の保険料は月額27,748円。年額だと約333,000円です。
(報酬月額は、東京都保険料額表に年収を12で割った額をあてはめて、料率9.91%で計算)

つまり、任意継続の方がお得となります。しかしこれが子1人だと、年額約319,000円となります。このように、扶養数や年金収入・固定資産税の有無でも金額はガラッと変わるので注意が必要です。なお、上記金額はあくまで目安として考えてください。

家族の健康保険の扶養に入る条件

収入条件

退職後「家族の健康保険に入る」を選択をした場合は、

「被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫、弟妹、兄姉で、主として被保険者に生計を維持されている人」という条件を満たしていることが条件です。「被保険者に生計を維持されている」というのは、被保険者の収入で暮らしが成り立っている状態のことです。 では、被保険者の収入で暮らしているかどうかは、どこで判断するのでしょうか。

よく「130万円の壁」というキーワードを耳にしますが、以下の条件を満たせば被扶養者になれるのです。
「認定対象者の年間収入が130万円未満であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合」(※)

なお、ここで言う「収入」とは過去の収入ではなく「見込み収入額」なので、間違えないようにしてください。また、「年収103万円の壁」と「130万円の壁」の両者を混同しそうになりますが、「103万円の壁」は配偶者控除・所得税のかからない範囲のことを指しています。

失業保険の受給中は不可?

原則として、失業保険受給中は健康保険の扶養に入ることはできません。一定の収入があるとみなされるため、保険料は自己負担することになります。ただし、上記(※)の要件を満たせば扶養に入ることが可能です。

まとめ

退職後に個人事業主になる方や、退職してから求職活動をしようという方は、社会保険料の負担の大きさに驚くこともあるでしょう。今まで会社が半分負担してくれていた分がなくなるというのは、大きなことです。保険料の試算は、分からなければ健保組合や自治体にも手伝ってもらうのが確実です。

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