公的年金制度の仕組みとは?簡単にわかりやすく解説

  • 2017-12-6

公的年金制度は、老化によって所得を生み出せなくなった場合への社会保険です。加齢が進んでくると、1人で自立した生活が難しくなる可能性もあります。予測がしにくい将来のリスクに備えるのが公的年金制度なのです。そこで、公的年金制度の仕組みと種類について紹介します。それぞれどのような違いがあるのか確認しましょう。

公的年金とは


公的年金制度は、国が運営や管理を行うもので、国民全員の加入が義務づけられています。

かつては年を重ねた両親と同居し自営業の人が多かったことから、家族内で高齢者を養っていました。しかし時代は変わり、親とは別居するケースが主流となっているため、親を養うことが難しくなりました。

そのため、「社会から高齢者への仕送り」という形の年金制度が整備されてきました。

20歳以上のすべての国民が国民年金の被保険者となっており、高齢期となった時に「年金」として給付を受けられます。今や高齢者世帯の所得において、年金が約7割をしめています。ますます老後の生活には年金の受け取りが欠かせないと言えるのではないでしょうか。

公的年金は2つに分けられる

公的年金は2つあります。全国民共通対象の「国民年金」と、会社員対象の「厚生年金」です。また、厚生年金と同じ役割を持つのが、公務員を対象とした「共済年金」です。

全日本国民がいずれかの公的年金制度に加入しています。ちなみに、平成27年10月以前は、共済年金は3つに分かれていました。国家公務員対象の「国家公務員共済」、地方公務員対象の「地方公務員共済」、私立学校の教職員対象の「私立学校教職員共済」です。

会社員と公務員両方の経験者は2つ受給

もし会社員と公務員両方の経験がある場合には、受給できる年金が厚生年金と共済年金の両方ということになります。ただし注意が必要で、この2つの年金は管轄の組織が違います。それぞれ、厚生年金は日本年金機構、共済年金は共済組合に請求しなければなりません。

なお、公的年金制度のお金の流れとしては、今働く現役世代の保険料が現在の高齢者の年金給付に充てられています(賦課方式)。収められた保険料に加え、過去に積み立てられたお金や税金もプラスされています。

「3階建て」といわれる年金の仕組み


公的年金制度の成り立ちや基礎知識を紹介してきましたが、続いては制度の仕組みを見ていきましょう。日本の公的年金制度は「2段式」いわれますが、実は「3段式」ともとれるものになっています。

1階部分は国民年金

まず基礎となる1階部分は、全日本国民が加入することが義務づけられている国民年金です。時代の流れとともに、1961年に導入されました。加入は20歳~60歳の現役世代です。

基本的には25年間支払わなければいけませんが、60歳以降の保険料の支払いが免除される期間を申請することもできます。年金の受け取りは65歳からで、一般的に第1号被保険者と呼ばれています。

なお、第2号被保険者(厚生年金・共済年金の加入者)のパートナー(専業主婦や主夫など)は第3被保険者と呼ばれており、国民年金に加入します。

しかし、第3号被保険者というのは国民年金の保険料の支払いを行う必要はありません。第3号被保険者分の保険料は、第2号被保険者全体で負担することになっているからです。

2階部分は厚生年金

会社に勤める人は1階層の国民年金に加え、厚生年金(公務員は共済年金)に加入済みです。厚生年金や共済年金の保険料は、勤務している会社と折半して支払われています。厚生年金や共済年金も、保険料の支払いは給料からの天引きのため、基本的には退職時まで払い続けます。

また、受け取りは65歳と国民年金と同年齢です。

厚生年金・共済年金の特徴としては、会社が半分負担してくれた分、自分で負担した金額よりも多く保険料を払っていることになっていること。そして、国民年金の基礎年金と厚生年金の給付金とが足されるため、基礎年金のみの人に比べて倍かそれ以上になる、ということです。

3階部分は厚生年金基金や確定拠出年金

厚生年金基金と聞くと、「厚生年金と一緒?」と捉えてしまいがちですが、この2つは別物になります。厚生年金基金は、企業が運営する「企業年金」です。

なお、厚生年金基金は会社が加入している場合には強制的に加入となりますが、厚生年金基金があると老後の保障が手厚くなる、つまり、年金の給付額があがるというメリットがあります。

ちなみに、厚生年金基金が無い・国民年金のみである・公的年金のみの給付が不安などという場合には、確定拠出年金という私的年金も存在します。

共済年金は厚生年金へ一元化

2015年に共済年金は厚生年金へ統合

前章にて、共済年金は3つに細分化されていたと紹介しましたが、平成27年10月に共済年金は厚生年金へ統合されました。理由は「共済年金の方が厚生年金よりも保険料が安かった」など、いくつか格差が存在していたためです。

職域加算の扱い

格差の代表的なものといえば、職域加算が挙げられます。職域加算とは簡単に言うと、年金の上乗せです。そのため、厚生年金と共済年金の役割は同じはずなのに、この職域加算があることで共済年金の方が多くなる、という事態があったのです。

職域加算は厚生年金への一元化で廃止されました。しかし、平成27年9月末までに退職した人は、65歳から職域加算の支給があり、また、もし平成27年9月末に退職していても、加入期間があれば支給されることになっています。

まとめ

日本の公的年金制度は手厚いとされていますが、少子高齢化の問題や、官民格差の問題などは残ったままです。しかし、将来のリスクを見据えて、自分の給付額をしっかり確認することで、貯金が必要なのか、確定拠出年金を検討すべきか見えてくるのではないでしょうか。公的年金の保険料の支払いは自分の将来を支えるものとなりますので、しっかりと考えておくようにしましょう。

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