「おこがましい」「烏滸がましい」とは?意味や使い方を解説

  • 2017-12-8

「おこがましい」という言葉はビジネスシーンなどでも良く耳にします。「おこがましいことをお願いして申し訳ないのですが」「おこがましいことを承知で申し上げます」など、自分自身の言動についてへりくだって表現をする言葉です。今回はこの「おこがましい」という言葉について解説をします。この機会に「おこがましい」とはどういう意味なのか?「おこがましい」の正しい使い方は?などについて確かめてみてください。

「おこがましい」とは


「おこがましい」は漢字で書くと「烏滸がましい」となります。そもそも「おこがましい」という言葉は古語からきており、「おこ」は「馬鹿」を意味していました。そのため「おこがましい」の本来の意味は「馬鹿馬鹿しい」です。

この「馬鹿馬鹿しい」という意味が時代と共に転化し、「生意気」「調子に乗っている」という意味を持つようになりました。

「おこがましい」の意味

現代の「おこがましい」は「馬鹿馬鹿しいともいえるくらい調子に乗っている状態」「生意気で愚かともいえる状態」を表しています。主には自分自身に対して使う言葉で、謙遜やへりくだった表現として使われることが多いでしょう。「こんなことを言うと生意気だと思われるでしょうが」という意味で「おこがましいと思われるでしょうが」などと使います。

また「おこがましい」には「身の程をわきまえていない」という意味もあります。目上の方へ少し思い切った提案をしたり、身の程知らずと思われる可能性があることを伝える時にも「おこがましい」を使うことができるのです。

「こんなことを言うと身の程を知らない愚か者だと思われるでしょうが」という意味で「おこがましいのですが」と使えば、自分の立場を理解した上での発言であるということを相手に伝えることができます。

「差し出がましい」との違い

「おこがましい」と混同されやすい言葉に「差し出がましい」という言葉があります。「差し出がましい」という言葉は「余計なお世話」「お節介」などの意味があるのです。

「差し出がましい」は「本来の役割を越えている様子」を表します。自分がやるべきことではないことを意識的に行う状態です。自分であっても自分以外の人であっても「本人は良かれと思ってやっているが客観的に見た時に、必要以上にしゃしゃり出ている」というイメージを持っています。

相手に求められたことではなく、自分が気を利かしたつもりでやったことについて「差し出がましいかと思いましたが〇〇をいたしました」などと表現します。

「おこがましい」は自分の身分不相応な振る舞いについて使われ、「差し出がましい」は自分の役割ではないことをした場合に使われるのです。

「おこがましい」はビジネスシーンでも使える?


「おこがましい」という言葉はビジネスシーンでも使うことができます。相手に対して意見や忠告をする時に用いるクッション言葉です。「おこがましいようですが~」と付けることで相手への配慮を見せることができます。

「おこがましい」は自分を謙遜するときに使える言葉

「おこがましい」は相手への配慮であると共に、自分を謙遜する言葉としても使うことができます。相手に対して「私が言うのもおこがましいのですが」と言うことで「私のようなものが」と自分をへりくだって表現することができるためです。

取引先や上司に自分の意見を言うときなどに使用

相手が取引先や上司であった場合、自分の意見を言うことに「生意気なようで気が引ける」と感じることがあれば「おこがましいのですが」と付け加えることができます。

立場によらず意見を求められた時に「私のようなものが言うのはおこがましいのですが」と前置きをすることで、取引先や上司に「寛容に受け止めてください」というニュアンスを伝えることもできるのです。

「おこがましい」の類語


「おこがましい」にはいくつかの類語があります。「おこがましい」という言い方がしっくり来ないと感じる時には、次のような言い方に変ることもできるのです。

僭越(せんえつ)

「僭越」という言葉は結婚式やパーティなどで聞かれることが多い言葉です。この「僭」という字には「身分不相応に調子に乗る」という意味があります。「越」は「自分の立場や力量を越える」という意味です。このことから「僭越」には「身分不相応に調子にのった私が自分の立場や力量を越えて」という気持ちを表していることがわかります。

「自分のような人間が引き受けるのは身に余ることと承知しながら、精一杯務めています」という気持ちを「僭越ながら」としているのです。

厚顔(こうがん)

「厚顔」には「ずうずうしい」「顔の皮が厚い」という意味があります。「厚顔無恥(こうがんむち)」と言えば「ずうずうしく、恥知らず」ということです。「厚顔」つまり「顔の皮が厚い」と、顔色の変化がわかりにくいだろう、ということから「顔色を変えない厚かましさ」を表しています。

無礼な人のことを「なんと厚顔な振る舞いだろう」と言えば「なんと厚かましい振る舞いだろう」ということを意味するのです。自分のことを指したいのであれば「厚顔無恥でお恥ずかしい限りです」などと使うことができます。

生意気

「生意気」という言葉は「その資格もないのに、一人前のようなつもりで偉そうにすること」を意味します。相手から見て半人前で力不足とされている人のことを「生意気な人」などと言います。「生意気」という言葉が相手に向かった時には、ほとんどが良い意味では使われません。

ところが、この「生意気」という言葉を自分に向けると、へりくだった表現となり、謙遜をすることができます。「私のようなものが生意気を言いまして」などと使えば「力不足の私が言うようなことではないのですが」ということを伝えることができます。

「おこがましい」の例文


では「おこがましい」という言葉を実際に使う場合、どのように使うことが正しいのかを例文で確認してみます。

(例)おこがましいとは思いますが、ぜひ私にやらせていただけませんでしょうか

相手への依頼には「おこがましいとは思いますが」「おこがましいことは承知いたしておりますが」などを使います。「おこがましいとは思います、しかし~」とすることで依頼の形ができます。

(例)このようなおこがましいお願いを聞いていただき、心より感謝申し上げます

相手への感謝を表す時には「おこがましいお願いだったにも関わらず」という形をとることで、具体的な感謝を伝えることができます。

(例)私のようなものがおこがましい真似をいたしまして、大変申し訳ございませんでした

相手へのお詫びの際にも「おこがましい」を使うことで、より具体的なお詫びにすることができます。「私がこんなことをしてしまったがために」と、自分に原因があるということを伝えた上でのお詫びにすることができるのです。

まとめ

「おこがましい」という言葉には様々な使い方がありますが、「自分の位置を低くして相手へ配慮する」という基本は同じです。状況に合った「おこがましい」を上手く使うことで、相手とのコミュニケーションを誤解なく進めることができます。適切な言葉を使って、自分の気持ちを正確に相手へ伝えましょう。

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