文例で押さえる!ビジネスにおける手紙の書き方のポイント

ビジネスシーンにおいて、手紙を出す機会は多いものです。手紙の書き方にはルールがあり、ビジネスマナーが身についているかどうかの判断をされる基準にもなっています。きちんとした手紙の書き方を身につけ、相手からの印象をより良いものにしましょう。

ビジネスにおける手紙の構成とは?

ビジネスレターには、決まった流れと構成があります。文例を上げて、構成について説明していきましょう。

5つの構成と文例

○○○○様

拝啓
厳寒の候、御社益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、先日は貴社訪問の折、ご多用中にもかかわらずお時間とご教授を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。これをご縁にまた何かございましたら参上いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
まだまだ寒さも続きますので、どうかご自愛くださいますようご留意くださいませ。
まずは取り急ぎ書面にてお礼申し上げます。
敬具
平成○年○月○日
○○○○

ビジネスレターは、「前文」「主文」「末文」「後付け」それから「副文」の5つの要素で構成されます。

  • 前文…手紙の本文の前、挨拶の部分です。「拝啓」などの頭語から、季節を伝える時候の挨拶、相手の健康や安否を気遣う言葉の3つが入ります。この他、自分の近況や現況を伝えたり、お礼であればこの部分でまずお礼をひとこと述べます。
  • 主文…手紙の本文です。
  • 末文…相手を気遣う言葉と「敬具」などの結語から成ります。
  • 後付け…日付・自分の名前・相手の名前で構成された部分です。相手の名前は、横書きの手紙の場合は最後ではなく最初に書きます。
  • 副文…「追伸」など、本文には入りきらなかった内容を書きます。主文の主題とは少し外れた内容やプライベートなことである場合が多いので、フォーマルな手紙には使用することはあまりありません。

フォーマルな縦書きとカジュアルな横書き

ビジネスにおいて、目上の方に送る時や改まった内容の手紙は縦書きが適しています。横書きはカジュアルな印象を与えますので、身近な人や友人などに送る時に適していると言えるでしょう。

パターン別お礼状の書き方とポイント

それでは、具体例を挙げて書き方とポイントの解説をしていきましょう。

お歳暮・お中元などをいただいたときのお礼状の書き方

拝啓 盛夏の候、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、このたびはお心のこもった品を頂戴し、誠に有難うございました。早速ではございますが冷たく冷やし、課の皆でおいしく頂きました。いつもながらのお心遣いに心より感謝申し上げます。まだまだ暑さも続きますので、どうかご自愛くださいますようご留意くださいませ。取り急ぎ書面にてお礼申し上げます。
敬具

この文章のポイントは、早速会社の皆で美味しく食べましたと伝えることで、喜びと感謝の気持ちをダイレクトに伝えているところです。食べ物を贈った側としては、すぐに食べてもらえた、喜んでもらえたと安心できます。また、お礼状を出すのは早ければ早いほど良いとされています。できればいただいた当日、遅くとも3日以内には書いて出すようにしましょう。

お得意様へのお礼状の書き方

拝啓 春光うららかなこのところ、ますますお健やかにお過ごしのことと存じます。
いつもお世話になっております。今年度も○○祭りへご協力いただき誠にありがとうございました。無事に開催できましたのも、日頃よりお引き立て頂いております○○様のご厚情あってこそでございます。今後とも何卒よろしくお願い致します。まだまだ寒さが残る頃でございます、くれぐれもご自愛くださいませ。 
敬具

お得意様ということは、お礼のメールや手紙も何度もお送りしている関係ということになります。それだけに、同じ言い回しではテンプレートそのままだと受け取られかねません。関係性や結びつきの強さを考慮した上で、かしこまりすぎず自分なりの言葉を多く入れることで、生きた言葉の丁寧な手紙になります。

出張先へのお礼状の書き方

拝啓 紅葉の侯、益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。このたびの出張では、ご多用中にもかかわらずお時間とご教授を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。3日間という短い期間ではございましたが、大きな成果を挙げることができました。これもひとえに貴社のお力添えあってのことです。これを機会に、また何かございましたら参上いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。まずはとりあえず、書中にて御礼申し上げます。敬具

出張のお礼は、帰社後すぐにメールで送ってもかまいません。ビジネスにおける感謝の気持ちは、スピードとタイミングが大事です。先鋒と一緒にした仕事について触れ、またよろしくお願いしますとお礼の気持ちを伝えましょう。

パターン別依頼状のポイントと文例

ノート,ペン,kuguru,クグル,くぐる

支払いをお願いしたい時

毎度格別のお引き立てを賜り誠に有難うございます。
さて、○月○日付けにて請求書をお送り致しました○○の代金36,000円につきまして、ご入金の確認ができておりません。大変お手数ではございますが、ご確認の上至急ご入金いただけますようお願い申し上げます。また、本通知と行き違いになりましたら何卒ご容赦くださいませ。

支払督促・依頼については必要以上にへりくだらないのがポイントです。しかし、感情的に責め立てずに「先日通知を送っていること」「まだ確認できていないこと」を冷静に伝えた上で「至急」「早急に」と促すようにします。最後に、手紙を出した・メールを送ったのと入金が入れ違えになっていたらお詫び申し上げます、と締めます。

新規取引や取引先を紹介してもらいたい時

拝啓
時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
このたびは、誠に勝手ながらお願い事がございまして筆を取りました。かねてよりご指導いただいておりました○○プロジェクトが来年度より、○○県○○地区におきまして本格的に進行する予定でございます。つきましては、○○地区に深い人脈をお持ちと伺っております○○様に、○○地区の建設業者様をご紹介いただけないでしょうか。後日あらためてお電話にてご都合をお伺いいたしますが、まずは書面をもってお願い申し上げます。
敬具

この例文は、お得意様に対して、取引先を紹介して欲しいとお願いする手紙です。普段のお礼と、人脈を頼りにしているという事項を盛り込み、あらためて電話でお願いにあがります、と締めています。そして電話で了承をもらえれば、担当者同士の打ち合わせ日程をすりあわせる流れになります。

この例は紹介依頼ですが、新規の取引をお願いする場合であれば「初回お取引で○円が○年割引確約」など、引き受けることによってメリットがあることを伝えるのも大切です。

ビジネスレターの結び方の注意点と文例

頭語と結語は合わせる

「拝啓」には「敬具」というように、頭語にはそれぞれ決まった結語があります。相手との関係性や手紙のフォーマル度、内容によって正しく使い分けることが大事です。また、年賀状や弔辞の手紙など、頭語と結語を使用しないものもあります。

それでは、組み合わせ例をいくつか挙げていきます。

  • 拝啓―敬具(一般的)
  • 謹啓―敬白(丁寧)
  • 前略―草々(前文を省略するもの)
  • 急啓―草々(急ぎの手紙)

「かしこ」という結語もありますが、女性のみ使用するものです。

ビジネスの場では「吉日」は使わない

手紙の末文、日付の部分に「○月吉日」と書かれているものを目にすることがあります。この「吉日」とは、送付をしてから開封するまでのタイムラグがあっても良いもの、あえて日付をぼやかしたいもの、縁起を担ぎたいもの、という時に使用します。そのため、日付をはっきりとさせたいビジネスレターや弔辞には使えません。

使えるもの

  • 祝い事の案内、招待状(結婚式を含む)
  • 親睦会などの集まりにまつわるお知らせ

使えないもの

  • 公的文書・ビジネスレター
  • 弔辞の案内、招待状

結び方の文例

手紙の最後を締めくくる「結び」は、大きく分けて「季節もの」と「そうではないもの」に分けられます。季節ごとの結びの挨拶は、一月であれば年の初めにあたってや、寒さの中相手の体を気遣うものなどがあります。

  • 本年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 幸福に満ちた一年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。

季節に関係なく、相手の健康や会社の繁栄などを祈る挨拶は、年中使えるものなのでいくつか覚えておくと便利です。

  • くれぐれもご自愛くださいませ。
  • 心穏やかにお過ごしください。
  • 末筆ながら皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
  • 風邪など召されぬよう、ご留意ください。

用件を最後にまとめてもう一度繰り返したい時や、その他よく使われる結語

  • まずはお礼かたがたご挨拶まで
  • 略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます
  • 乱筆乱文のほどご容赦くださいませ
  • 皆様へよろしくお伝えくださいませ

まとめ

ビジネスレターには基本の型があり、それさえ覚えてしまえば、心配しているよりもすぐに書けるものです。自分なりのひとことや工夫、気持ちを込め、受け取る人にテンプレート以上の何かを伝えられる手紙が書けるようになりましょう。

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