商号ってどう決める?使える言葉や変更手続きの方法

会社設立の際、商号を決める必要があります。こちらでは、商号とはそもそも何なのか、どのようなルールで言葉を選べば良いのか、後から変更するにはどのくらいの手間がかかるのかなどを解説しています。商号は屋号と違い、自分で自由に名乗ったり変更したりすることができません。登記前に知識をつけて命名しましょう。

商号とは?


これからビジネスを始める人にとって、商号の決め方や登記方法に悩む人も少なくないのではないでしょうか。まずは、商号の定義や法務局での登記方法をご紹介します。

商人が自分を表すための名称

商号とは、商人が営業をする上で自身を表すために用いる名称です。「名称」であるため、文字のみで表現される必要があり、会社法や商法によって規定されているものです。商号の登記は法務局で行うことができます。登記の目的は屋号を法的に保護することで、商号登記をすることにより、同一の所在地で同一の商号が使えなくなるという法的拘束力が生じるのです。

それでは、法務局で商号登録したい場合、何を準備し、どのような手順を踏むのでしょうか。続いて、登記の際に必要なものをご説明します。

法務局で登記する

商号登記をする際に必須なものは、以下の4点です。

  • 個人の実印と印鑑証明書
  • 印鑑届出書
  • 商号登記申請用紙
  • 登録料

まず、個人の実印と印鑑証明書を用意します。印鑑証明書は在住している市区町村で、使用する実印をあらかじめ登録しておきます。

次に、印鑑届出書です。用紙は法務局にあり、商号登録と同時に印鑑も登録します。個人の実印だけでなく屋号印を登録することも可能なので、屋号印を持っている場合はそちらを登録するのが良いでしょう。商号登記申請書はA4の白紙を法務局に持参し、自分自身で作成します。法務局で作成方法を教わることも可能です。

最後に、登録料として、3万円分の収入印紙を用意します。作成した商号登記申請書に貼り付けますが、申請書に不備がないか、法務省で確認をとってから貼るようにしましょう。

商号のつけ方のルール


商号には、使用できる文字の制限や、特定の業種が使わなければいけない文字など、ある一定の規則が存在します。商号をどうやってつけたらいいか、そのルールを見てみましょう。

「株式会社」など会社形態をつける

登記する商号には、会社形態が含まれる必要があります。株式会社を設立する場合は、「○○株式会社」や「株式会社××」など、社名の前後に会社形態をつけます。合同会社や合名会社も同様です。ただし、株式会社であるにも関わらず「△△合同会社」のように別の会社形態をつけることは禁止されています。

また、会社の一部を意味するような名称もつけることができません。例えば、「○○支店」「××支部」のような文字の使用は禁止されています。「特約店」や「代理店」は使用可能と規定されています。

特定の業種は使用しなければいけない文字がある

業種によっては、ある特定の文字の使用が義務づけられている場合が存在します。例えば、銀行や信用金庫、保険会社、労働金庫などです。これらの業種はその商号の中に「銀行」「信用金庫」「保険」「労働金庫」などの文字を入れることが求められます。文字を入れることで、商号から、業種を一目で判断することができるのです。一方、銀行や信託業ではない会社が「銀行」や「信託」という文字を使用することは許されません。

使用可能な符号は決められている

商号を登記する場合、どのような文字でも使用できるわけではありません。商号に利用できる文字は、漢字、ひらがな、カタカナと、特定の符号のみです。特定の符号とは、ローマ字の大文字と小文字、アラビア数字と、下記の記号です。

  • &(アンパサンド)
  • ‘(アポストロフィ)
  • ,(コンマ)
  • ‐(ハイフン)
  • .(ピリオド)
  • ・(中点)」

これらの記号は文字間を区切る場合のみ使用することができます。

フリガナの併記はできない

読みにくい漢字や英字の商号をつけたい場合、読み間違いがおきないようにフリガナを入れたいと思うかもしれませんが、フリガナの併記は認められていません。例えば、「kuguru(クグル)株式会社」のような形は不可となっています。英語や漢字で読み方が分かれそうな商号を使うのであれば、こちらの点に注意しましょう。

商号の変更手続きはどうする?


商号を変更するにはさまざまな手続きが必要です。登記上の商号変更と同時に、前の商号で登録していたサービスで情報変更をしなければならないためです。

株主の合意をとる

商号を変更する場合は、会社の株主の合意を取らなければなりません。株主総会を開き、変更の決議を行います。決議が済んだら、その日から2週間以内に届出をしなければなりません。届出は、会社を管轄している法務局で行います。

法務局に株式会社変更登記申請書を提出

登録してあった商号を変更するためには、法務局に「法務局 商業・法人登記の申請書様式 商号・目的の変更,本店移転」を提出する必要があります。上記のリンク先に記載例も提示されているので、間違いのないように記入して提出しましょう。

各種変更届を提出

法務局に書類を提出した後は、税務署での手続き、都道府県・市町村への法人異動届、年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの届出を行います。さらに、オフィスを貸してくれている不動産会社や、電気ガス水道の契約をしている会社にも商号変更を知らせて情報を更新してもらいましょう。関係会社やクライアント宛に、商号変更のお知らせをするのも忘れないようにしましょう。

商号と商標の違い


ここまでで、商号の定義や登記方法、文字に関するルールをご紹介してきました。それでは、よく似た言葉である商号と商標の違いは一体何なのでしょうか。

商標は商品の名称

商号が商人を表す名称であるのに対して、商標は商人が提供する商品につける名称です。商号の場合は、同一の住所でない限り、他の会社や個人であっても同一あるいは類似した名称を使用できます。一方商標は、国内において、登録した商品名・サービス名に類似した名称を他者が使用するのを禁止できるものです。商号と商標は全く別物であり、商標は商標法により管理され、特許庁で登録を申請します。

商標登録されている商号は使えなくなる恐れがある

商号登記と商標登録は、規制する法律も申請機関も異なります。しかしながら、特定の商号を誰かが商標登録した場合、日本国内どこであっても、他の人はその商号を使用できません。商号登記したとしても他者が商標登録してしまえば、その商号を使い続けることが難しくなるのです。

商号が商標登録されるのは、その名称にブランド力がある場合であると考えられます。登録には厳しい縛りがあり、手間や労力もかかりますが、商標登録により商号を守り、ブランド力を確保したい場合は、登録を検討すると良いでしょう。商号を決める際は、その名称が商標登録されていないか確認することが必要です。

個人事業主も屋号を商号登記可能


商号登記できるのは、会社などの組織だけではありません。最後に、個人事業主による商号登記やそのメリットについてご紹介します。

個人事業主が屋号を商号登記するメリット

個人事業主が開業する場合は屋号をつけますが、屋号には、法的な拘束力がありません。他の人が同じ住所で同じ屋号を用いて開業したとしても、それは認められてしまうのです。屋号を商号登記することで、上記のような事態を法的に制限することができます。

また、屋号を商号登録すると、金融機関で屋号付きの口座を開設しやすくなるというメリットもあります。法的に認められた商号を持つことで信用度が高まるためです。

さらに、将来法人化することを検討しているのであれば、商号登記は大きな利点となるでしょう。登記をすれば、事前に屋号を保護することができるため、法人化した後も同一の屋号を使い続けることが可能になります。仮に他者が同一住所で商号登記をしてしまえば、法人化する際、愛着を持っていた屋号を変更せざるを得なくなります。同じ屋号を長く使い続けたい場合は、個人事業主の時から商号登記を検討すると良いでしょう。

個人事業主の屋号のメリットやつけ方のポイント
個人事業主も屋号を商標登録することが可能で、そこにはさまざまなメリットがあります。こちらの記事では、個人事業主が屋号をつけるときのポイントや、屋号を使うシチュエーションを紹介しています。個人事業主にとって屋号は必須ではないので、どのように使うのかを知った上でつけるかどうかを判断しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。商号登記の手順や商標との違い、個人事業主による登記のメリットがお分かりいただけたと思います。商号はその会社や個人事業主を表し、世間に知れ渡る大事な文字のため、こだわりを持つビジネスパーソンは多いはずです。法的な制約をしっかり理解し、末永く使い続けられる商号を作りましょう。

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