フリーランスの社会保険はどうなる?新制度・扶養への入り方・控除枠を紹介

サラリーマンからフリーランスになると、社会保険についてしっかり把握して選択することが必要になります。サラリーマンの社会保険の違いや、扶養に入るという選択肢、フリーランスが加入できる健康保険、また、従業員を雇った場合の社会保険についてご紹介します。

サラリーマンの社会保険との違いは?


サラリーマンとフリーランスの社会保険の大きな違いは、保険料を会社と折半できるか、自己負担で全て支払うかです。扶養の概念があるのはサラリーマンの社会保険のみで、フリーランスでは家族を扶養に入れることができない点も注意が必要です。

サラリーマンが加入する社会保険

サラリーマンは一般的に、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険に加入しています。保険料については、健康保険・厚生年金は会社が半分負担、労災保険は全額会社負担、雇用保険はほぼ会社の負担となっています。

フリーランスが加入する社会保険

フリーランス・個人事業主は国民健康保険と国民年金には必ず加入しなければなりません。会社の社会保険を脱退する時は、自分で手続きして加入することになります。労災保険は任意で加入できる業種が決まっていて、雇用保険は原則として労働者ではないため加入することができません。ただし、現在フリーランスのための保険制度が整えられており、雇用保険も整備されてきています。詳しくは後述する「フリーランスのための制度がある?」で解説します。

フリーランスは社会保険の扶養に入れる?


収入が少ない場合は扶養に入ることが可能です。条件を確認して検討してみるのも良いでしょう。

一定の収入以下なら扶養に入れる

収入によっては、配偶者や親の扶養のもと、健康保険と国民年金に入ることが可能です。年収が被保険者の年収の半分以下であるなどの条件があるので、扶養に入ろうか検討している人は条件をしっかり確認しましょう。

130万円未満が基準

扶養に入るひとつの条件として、年収が130万円未満という基準があります。年収の計算方法は、売り上げから経費を引いた額のことも、経費を引かない売り上げの額のこともあります。健康保険の組合に確認しましょう。さらに、健康保険組合によってはフリーランス(個人事業主)は扶養に入れない場合もあります。

個人事業主の主婦が不要に入る条件
夫婦の片方が個人事業主(開業届を出したフリーランス)の場合、どのような条件で扶養に入れるのか解説しています。また、賢く扶養に入るための方法も紹介しています。

フリーランスの健康保険と手続き方法


会社員であれば選択肢なしで会社の健康保険組合に加入することになりますが、フリーランスの健康保険は、主に以下の3つの選択肢があります。

国民健康保険

市区町村が運営する国民健康保険です。前年度の収入に応じて保険料が決められるため、前年度の収入が多かった場合は保険料も高額になる仕組みです。社会保険では家族を扶養に入れることが可能でしたが、国民健康保険には扶養という概念がないため、家族全員がそれぞれ加入する形になります。
手続きは、市町村にある担当窓口で行います。加入するためには、健康保険資格喪失証明書か離職票、印鑑を持って行きましょう。健康保険資格喪失証明書か離職票は、元の職場でもらうことができます。

国民健康保険組合

市区町村が運営するものの他に、同じ職種、業種の人が集まって作る「国民健康保険組合」というものがあります。職種や業種によってさまざまな組合がありますが、フリーランスが該当するのは「文芸美術国民健康保険組合」という、文芸・美術・WEB関係の団体が加入する保険組合です。組合によりますが、ほとんどの場合保険料が一律で収入による差がないため、収入の多い人は保険料を安く抑えることができるメリットがあります。

加入する際は、組合ごとに定められている方法に従ってください。例として、「文芸美術国民健康保険組合」の加入方法を紹介します。用意するものは、加入申込書、世帯全員の住民票、文芸美術に関する業務にあたっていることを証明する書類(所得内訳や作品)、所得証明(70歳以上のみ)となっています。文芸美術国民健康保険組合に加入するには、組合に加盟している各団体に所属しなくてはなりません。自分の職種にあった組合を選び、その組合によって書類の送付方法が異なります。

任意継続保険(元会社員のみ)

元会社員で2ヶ月以上社会保険に加入していた人は、「任意継続」という形で2年間そのまま保険を継続することも可能です。ただし保険料は、今まで会社と折半して支払っていたものを自分で全て支払うことになるため倍になります。扶養家族が多い場合は、そのまま扶養に入れるのでお得になることもあります。家族形態や前年度の収入などから比較して、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

従業員を雇ったときの社会保険は?


従業員を雇ったときには、労災保険、雇用保険に加入する義務があります。また5名以上の従業員を雇った場合には健康保険と厚生年金を従業員と折半で支払うことになります。

健康保険と厚生年金

業種によって条件が異なりますが、ほとんどの場合5人以上の従業員を雇った場合に加入の義務が生じます。5人以上雇っていても任意加入になる業種は、第一次産業・サービス業・士業・宗教行です。

労災保険

従業員を雇った場合、人数、労働時間、雇用形態に関わらず加入する義務があります。保険料は給与の0.3%で全額雇い主の負担になります。加入していると、通勤中・業務中の事故、仕事が原因の病気などに対して給付金が支払われます。

雇用保険

31日以上雇用の見込みがあり、1週間の労働時間が20時間以上ある場合に加入の義務があります。日雇いや条件に満たないアルバイト、パートは加入する義務はありません。保険料の負担比率は業種によって異なりますが、会社が8割強を負担するのが一般的です。

フリーランスのための制度がある?

フリーランス向け失業保険

2017年、政府がフリーランスが所得補償を受けられる団体保険を作ることを提言しました。介護や子育てなどのためにフリーランスになっている方や、新しい働き方にチャレンジしている方向けの制度です。こちらはまだ販売されていないため、続報を待ちましょう。(2018年3月)

全国ソフトウェア協同組合連合会(JASPA)

全国ソフトウェア協同組合連合会は、同業者組合のひとつで、略してJASPAと呼ばれています。その名前の通りIT業界に特化しており、特にフリーランスのエンジニアにおすすめです。JASPAには共済制度があります。サラリーマンで言うところの厚生年金、雇用保険、健康保険に近いサービスを受けることができます。

フリーランスが加入するには、JASPAに加盟している組合を選び、組合に所属するかたちとなります。受けられる共済の内容も、組合によって異なります。

社会保険料控除

会社員の時受けていた社会保険料控除は、フリーランスになっても継続して受けることができます。健康保険や国民年金などに加入している場合、社会保険料控除の手続きをすれば、その全額が控除対象になります。控除の対象となる社会保険料は、国税庁のサイトの社会保険料控除 (国税庁)を参考にしてください。

まとめ

フリーランスの社会保険について見てきました。条件によってさまざまな選択肢があり、比較するためには知識が必要になってきます。また従業員を雇う場合には従業員の保険についても理解して資金繰りを考える必要があるため、常に情報を集めて管理していくことが大切です。フリーランスが加入すべき保険に関しては下記の記事にまとまっておりますので、是非参考にしてください。
個人事業主が加入すべき保険は?社会保険のまとめとおすすめ民間保険 | 保険の先生

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