フリーランスの節税方法とは?確定申告で受けられる控除項目

フリーランスになると、税金に関する手続きや節税対策を自分でやらなくてはなりません。そのため、自分で確定申告の際に配偶者・扶養家族の控除を申請したり、控除を受けられる年金・共済に加入したりして、税金のかかる額を少なくする必要があります。こちらでは、節税につながる確定申告方法などを詳しく説明しています。

青色申告をする

青色申告特別控除は最大65万円

確定申告の方法である青色申告には「簡易簿記」「現金式簡易簿記」「複式簿記」と3種類のやり方があります。簡易簿記と現金式簡易簿記では10万円の控除が受けられ、複式簿記では65万円の控除が受けられます。

青色申告による控除を受けるためには「所得税の青色申告承認申請書」を提出したり、各種帳簿を準備したりと手間のかかる作業を行わなければいけませんが、節税を考えるのであれば青色申告によって確定申告しておくのがおすすめです。

配偶者控除を受けられる

納税する人と一緒に生計を立てている配偶者がいる場合、38万円の配偶者控除を受けることができます。条件として、配偶者の年間所得が38万円以下であることが挙げられます。また、確定申告の際に専従者の扱いを受けていないことも条件です。専従者とは、自分の家族の中で、事業の従業員となっている人のことです。この配偶者控除は、2018年以降、所得が1,000万円以上の人には適用されなくなります。

配偶者の年間所得が38万円を超えてしまっても、配偶者特別控除という制度を受けられます。配偶者特別控除は、配偶者の年間所得が123万円以下の方に適用されます。控除額は、所得・年齢に応じて決められます。

扶養控除を受けられる

自分が扶養している親族(6親等内の血族・3親等内の姻族)がいる場合、扶養控除を受けることができます。親族の範囲は広く、自分の親の6つ上の代まで含まれますので、基本的には生計を一緒にしている家族は扶養の範囲内に入ると言えるでしょう。

扶養控除を受けるには、配偶者控除と同様、年間の合計所得が38万円以下であることと、専従者でないことが条件としてあります。さらに、その家族が子供の場合、確定申告の対象の年に16歳以上であることも条件になってきます。この条件を満たすと、38万円の控除を受けることができます。

さらに、19歳〜23歳の子供は、特定扶養親族とされ、受けられる控除額が63万円になります。これは、大学生に当たる年齢の子供には高額な教育費がかかりがちであることに配慮した制度です。

赤字を3年繰り越せる

確定申告を青色申告で行った場合には、3年間赤字を繰り越せる「損失申告」をすることが可能です。赤字を繰り越すというのは、赤字が出た年以降の年において黒字が出た場合に、赤字分を引いた所得を課税対象所得とすることをいいます。

例えば、平成29年に50万円の赤字が出てしまい、平成30年に100万円の黒字が出たと仮定します。本来であれば、平成30年の課税対象所得は100万円となりますが、損失申告を行った場合は平成30年の黒字から平成29年の赤字を引けるので、平成30年の課税対象所得は50万円となるのです。

減価償却の特例を利用できる

減価償却とは、高価な固定資産を取得した場合に、一括で経費を計上するのではなく、固定資産の耐用年数に合わせて経費を計上していく制度です。高価な固定資産を一括で購入し、分割した費用を経費として計上するため「黒字なのに現金がない」という状態になることがあります。しかし、青色申告を利用すれば30万円未満の減価償却費については一括で経費に計上できるので、課税対象所得を抑えつつ作業環境を整えられます。

自宅の家賃や光熱費を経費計上する

経費計上の節税効果

経費とは、事業としての収入を得るためにかかった費用のことです。経費は節税において大切な項目です。そもそも納税しなければならない金額は、売上から経費を引いた額に税率をかけて計算されます。

(売上-経費)×税率=納税額

そのため、経費をもれなく計上することで、納税額をおさえることができるのです。

フリーランスが確認すべき経費で落とせる費用一覧
事業のためにかかった費用は、経費として計上し、税金がかからないように処理できます。しかし、フリーランスの場合、プライベートの出費と事業のための出費の区別をつけることが難しいこともあります。こちらの記事では、経費にできる項目の一覧と、計上の際の注意点を紹介しています。

自宅事務所なら家事按分が可能

自宅の一室を事務所として利用している場合、事業にかかる家賃や光熱費を経費として計上できます。経費に計上する家賃や光熱費については、法律で「按分*」する方法が定められていないため、床面積の割合や使用時間などから自分で計算しなければいけません。家事按分は合理的な基準がなければ認められないことから、個人用と事業用の区別は誰もが納得できる形で行うことが大切です。

*費用に対して事業の経費として計上できる割合をわりふること。

青色申告の方が有利

家事按分は白色申告でも青色申告でもできますが、白色申告には「業務で使用している割合が50%を超えていること」との条件があるので、家事按分の利用は青色申告でするのが良いです。青色申告の家事按分であれば、業務に使用していることを合理的に区別することで家賃や光熱費だけでなく、インターネット料金や電話料金など、さまざまなものを経費として計上できます。

専従する家族に給料を払う


専従者とは、個人事業主と生計を一緒にしている15歳以上の親族のうち、個人事業主の事業に年間6ヶ月以上従事している人のことを指します。

青色申告の場合

青色申告の場合は、専従者に支払った給料を必要経費として計上することが可能です。経費としての妥当性を欠く金額や、業務に対して多すぎる給料などは認められませんが、経費としての計上が認められる範囲内で利用した場合でも、高い節税効果が期待できます。利用には事前に届出を提出しておくことが必要であるため「届出をしなかったばかりに節税できなかった」とならないよう注意しておきましょう。

白色申告の場合

白色申告の場合は、青色申告のように専従者に支払う給料を経費として計上できません。代わりに「事業専従者控除」という控除が受けられます。専従者が配偶者であれば86万円、配偶者以外の親族であれば50万円の控除を受けることが可能です。場合によっては青色申告よりも高い節税効果が得られることもあります。

年金や共済による所得控除

経営セーフティ共済

経営セーフティ共済というのは、積み立てた掛金の10倍の範囲内で、回収困難な売掛債権分の貸し付けを受けられる保険制度です。取引先の倒産などによって売掛金が回収できなかった場合に、連鎖倒産してしまうことを防ぐのが目的であるため、倒産防止共済とも呼ばれています。一見節税とは関係がない保険制度のように思えますが、経営セーフティ共済では掛金のすべてを必要経費として計上できるので、税金対策として効果的です。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、事業を辞めたときや退職したときに、積み立てた掛金を受け取れるようにする、個人向けの共済制度です。個人事業主や小規模企業の役員などを対象とした制度なので、経営者の退職金のようなものといえます。

節税効果としては、経営セーフティ共済と同様に掛金を経費として計上できるという点があります。積立金を一括で受け取る場合には退職所得として扱え、年金のように分割で受け取る場合には公的年金等控除が適用される雑所得として扱えます。

国民年金基金

国民年金基金は、公務員やサラリーマンと個人事業主との年金額の差をなくす目的で設立された、第1号被保険者向けの年金制度です。掛金の全額を経費として計上できるだけでなく、年金を受け取る際には公的年金等控除の適用があります。年金を受け取る前、もしくは保証期間内に万が一死亡した場合には、遺族に対して非課税の一時金が支払われます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金を自分で運用・積立し、60歳以降に受け取る年金制度です。iDeCoの節税効果は、掛金がすべて経費として計上できることと、運用によって得た分配金などの利益が非課税になることです。通常であれば20.315%の税金がかかるところを非課税で運用できるため、税金対策として効果的なことはもちろん、投資金額の増加による利益増にも期待が持てます。

まとめ

フリーランスができる節税にはさまざまなものがありますが、利用するときにはそれぞれの仕組みを正しく理解しておかなければいけません。仕組みを理解しないままに利用すると、本来受けられるはずだった節税効果を十分に受けられなくなる可能性もあります。基本的には、青色申告を利用し、配偶者・扶養家族などの控除をしっかり申請し、年金や共済に加入するときは税金の支払額についても気にかけるようにしましょう。日頃からもれなく経費計上を行うことも大切です。

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