アサーティブって何?意味とコミュニケーションに生かす方法

ビジネスシーンで、コミュニケーション改善の一環としてアサーティブという言葉を耳にする機会が増えてきました。アサーションと表現されることもありますが、聞いたことがないという方もいるのではないでしょうか。ここではアサーティブとは何か、その意味とコミュニケーションに活用する方法を解説します。

アサーティブとは?

アサーティブの意味

「自己主張する」という意味がありますが、自分の意見を押し通すというのとは少し異なります。アサーティブとは自分の境界線を大事にし、相手を尊重しながらも、自己主張を率直・対等に行うコミュニケーションのスキルです。

「他人の気持ちを気にしすぎるあまり、自分の意見を押し殺して過度にストレスを感じてしまう」「自己主張はできるけれど対人関係がぎくしゃくしがち」という悩みがある場合、アサーティブを学ぶことによって相手とより良い関係性を築くヒントを得られるでしょう。

アサーティブの土台にある思想

アサーティブの考え方の土台にあるのは、アメリカでの人権擁護の思想と運動で、1960年代以降に発達したとされています。「考える権利」「感じる権利」「表現する権利」は私たちに平等に与えられた基本的人権であり、自他それぞれの表現する権利を尊重しようということになりました。そこから、表現の権利を尊重したコミュニケーションの方法論が確立しました。

アサーティブを学ぶメリットは?


では、アサーティブを学んで得られるメリットにはどんなものがあるでしょうか。

コミュニケーション能力が高まる

今まで自然に身についてきた言葉や態度を変えるのは容易ではありません。しかし自分のコミュニケーションの傾向を知って意識をし、ロールプレイングを繰り返すことを通じて表現スキルを磨くことは可能です。相手に対して前向きに意見や要求を伝えられれば、相手にもこちらの意図がしっかり伝わり、よりよい関係性を構築することができるでしょう。

職場が活性化する

ビジネスの場では特に、上司・同僚・部下に対して意見や要求を伝える機会が多くあります。アサーティブな言動を身につけることによって、感情の爆発や、不本意な感情から出てしまうあいまいな言動を避けることができます。

対人ストレスも減りますから、お互い率直に意見交換もできるようになり、職場が活性化する効果も期待できるでしょう。その効果が認められ、日本でも経営者研修・リーダー研修・新人教育・学校教育にも広く取り入れられるようになっています。

仕事の効率が上がる

アサーティブな対応をマスターできれば、仕事上ついあいまいにしてしまいがちな担当業務や納期などをはっきりさせてから仕事に臨むことができるでしょう。要望や現状を率直に伝えて調整することができますので、互いに無理のない条件や期限を設定でき、リスク軽減も期待できます。

仕事の目的も最初から共有して明確になっていますから、たとえトラブルが生じても早い段階で手を打つことができます。結果的に仕事効率の向上にもつながるといえます。

ストレスが減る

他人の気持ちを気遣うあまり、自分の意見や本音を伝えきれずにストレスになってしまうこともあるでしょう。アサーティブを身につければ、遠慮しすぎることなく本音や意見を率直に伝えやすくなります。自分自身も肚落ちした上で仕事などに臨むことができますから、不必要にストレスを抱えることもなくなるでしょう。

アサーティブで大事なスキルは?


アサーティブな対応をする上で、必要になるスキルにはどういったものがあるでしょうか。

自分にも相手にも誠実であること

相手の権利や気持ちを尊重すると同時に、自分の権利や気持ちも尊重して対応します。相手と自分、どちらかに偏ってしまわないよう気をつけましょう。これは自分も含めてひとりひとりが尊重されるべき存在、といった前提に基づいた考え方となります。

アサーティブなコミュニケーションはまず、自分の内に自信を築くことから始まります。その土台があってこそ、他人の気持ちも尊重できるようになるのです。

率直に表現すること

感情的になるのを避け、伝えたいことをそのまま率直に伝えます。つい相手の顔色をうかがってしまって必要なことを言えないのは、自信のなさ、嫌われるかもという不安、相手との対立への恐れからなどから生じるのです。

相手への信頼があるからこそ、アサーティブな表現が可能になります。慣れないうちは難しいと感じることもあるでしょうが、相手のことを思いやりながら威張ることなく、率直に主張を伝えましょう。

相手と対等であること

いつも相手の意見ばかり通って、自分の意見が通らないというのでは不平等です。自分をネガティブに考えていると自己主張がしにくくなります。同時にそれは、相手を信じていないということにもつながります。

文化や性別、価値観などの違いはもともとあるものだといった前提があれば、価値観が異なる相手も認めることができます。まずはお互いに対等であるという意識で相手に接しましょう。

結果を自分で引き受けること

自分と相性が良い人もいれば、良くない人も当然いるものです。すべての人に好かれるのは無理と言えます。そこで、「人に好かれなくても構わない」と試しに考えてみましょう。

相手がどう反応するかは伝えてみないとわかりませんし、好かれなくても構わないならば、相手の顔色をうかがう必要もなくなります。自己責任という前提は一見厳しそうに聞こえますが、気持ちを楽にすることにも繋がるのです。

アサーティブを学ぶ方法は?


アサーティブには色々なメリットがあることを見てきました。ではアサーティブのスキルを学ぶ方法には何があるでしょうか?

本で学ぶ

体系立てたスキルをリーズナブルに学びたいなら、やはり書籍です。アマゾン等の書籍販売サイトで「アサーティブ」「アサーション」「アサーティブ・コミュニケーション」「アサーティブ・トレーニング」等のキーワードを使って検索をしてみましょう。

代表的な書籍としては、アサーティブの理念を広げるきっかけとなった『アサーショントレーニング―さわやかな「自己表現」のために』などがあります。

インターネットで学ぶ

インターネットであれば無料で気軽にアサーティブを学ぶことができます。本を探すときと同類のキーワードで検索して、毎日のコミュニケーションに活用しましょう。代表的なウェブサイトとして、「特定非営利法人アサーティブジャパン」のホームページなどがあります。

研修を受ける

アサーティブはコミュニケーション技法ですから、研修でロールプレイを通じて実践を繰り返すのが、スキル習得のための近道と言えます。研修はいろんなところで開催されていますので、講座内容や予算・条件などを比較検討しながら探してみましょう。上に挙げた「特定非営利法人アサーティブジャパン」でも、段階に応じた各種講座が開催されています。

まとめ

アサーティブとは、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」を土台に人に接するコミュニケーション技法で、コミュニケーション能力向上、職場の活性化、ストレス軽減などの効果があります。日々の仕事や対人関係を円滑にするために、上手に活用していきましょう。

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