雇用保険料の計算方法と免除制度について詳しくまとめました

失業補償や雇用促進などでお世話になることのある雇用保険。毎月私たちが支払っている雇用保険料がどのようにして決まるのか。また、どのような場合に免除制度があるのか、気になるポイントをチェックしていきましょう。

雇用保険料の計算方法とは


それでは、雇用保険料の計算方法を見ていきましょう。

給与総額に雇用保険料率をかける

雇用保険料の決定には次の式が用いられます。「雇用保険料=給与総額×雇用保険料率」給与総額は、社会保険料等を引かれる前の額面金額です。

雇用保険料率は、事業所によって、1年毎に見直しがあります。雇用保険は、労働者の負担分+会社の負担分で成り立っています。今回は労働者負担分にスポットを当ててご紹介していきます。

雇用保険料率一覧

では次に、雇用保険料率について見ていきましょう。雇用保険料率は、事業の種類によって異なります。現在(平成29年度)の雇用保険料率は次の通りです。

  • 一般の事業・・・9/1000
  • 農林水産、清酒製造の事業・・・11/1000
  • 建設の事業・・・12/1000

上記の保険料率は労働者の負担分と事業主の負担分合計の保険料率となります。労働者の負担分のみの雇用保険料率は次のようになります。

  • 一般の事業・・・3/1000
  • 農林水産、清酒製造の事業・・・4/1000
  • 建設の事業・・・4/1000

雇用保険料率は4月1日~翌3月31日までの1年ごとに変更されます。

雇用保険料は毎月変わる

一般的な社会保険の金額は、1年を通して一定金額なのに対して、雇用保険料は毎月変動しています。それは、雇用保険料の決定方法によるものです。先ほど紹介しましたが、「雇用保険料=給与総額×雇用保険料率」この式で雇用保険料が決定されます。

残業手当やその他手当などの支給により給与総額が変わると、雇用保険料の金額も変わります。そのため、雇用保険料は毎月一定ではありません。なお、給与総額は労働の対価となる金額と定められているため、一時的な手当(結婚手当や出張費)、役員報酬は含まれません。

端数の処理の仕方

労働者負担の雇用保険料に端数が生じた場合、どのように処理を行うのか見ていきます。雇用保険料は直接厚生労働省に支払うのではなく、会社に支払います。会社がどのような方法によって雇用保険料を支払うかによって、処理の方法が異なります。

(1)給与から天引き(源泉徴収)される場合
50銭以下の場合・・・切り捨て
50銭1厘以上の場合・・・切り上げ
(2)現金で会社に支払う場合
50銭未満の場合・・・切り捨て
50銭以上の場合・・・切り上げ

通常の会社に勤めている場合、源泉徴収されると思いますので、少しだけ得をすることになります。

賞与の雇用保険料は別で計算する

次に、賞与が支払われた場合の雇用保険料について確認していきましょう。賞与が支払われた際は、賞与のみで雇用保険料の計算を行います。例えば一般的な事業で7月に給与が30万円、賞与が45万円支給された場合の労働者負担分は、

給与の雇用保険料・・・300,000×3/1000=900円
賞与の雇用保険料・・・450,000×3/1000=1,350円
合計2,250円です。

最初に30万円と45万円を合計するのではなく、あくまでもそれぞれの雇用保険料を計算した上での合算となります。また、賞与の雇用保険料の計算式は給与の場合と同じです。

交通費は給与総額と合算する

毎月の給与に交通費が含まれている場合の計算はどのようになるのか、確認していきます。結論からいうと、通勤交通費は給与総額に含まれると考えられるため、雇用保険料の計算の対象となります。

定期を立て替えて支払うだけで雇用保険料が徴収されることになります。給与と別で交通費を支払ってもらえる方法がないか、会社に一度確認してみましょう。

雇用保険料の免除制度とは


雇用保険はいつまで払い続ければいいのか、詳しく見ていきます。

64歳以上の被保険者は免除される

労働者が保険年度の初日(4月1日)に年齢が64歳以上の場合、雇用保険料を支払わなくてよいという制度があります。これは労働者負担・事業主負担どちらも対象です。しかし、こちらの制度は平成31年度までとなっており、平成32年度からは64歳以上であっても雇用保険料を支払わなくてはなりません。

64歳以上でも免除されないケース

保険年度初日に64歳以上であっても、雇用保険料が免除されないケースがあります。それは、「短期雇用特例被保険者」「日雇労働被保険者」の2種類に該当するケースです。

短期雇用特例被保険者とは、雇用契約期間が1年未満、なおかつ、仕事の内容が特定の期間・季節のみ雇用される人を指します。冬のスキー場での雇用などが挙げられます。日雇労働被保険者とは、雇用期間の定めがなく、単発の仕事をしている人や、雇用期間が30日以内の人を指します。建設現場での仕事などが挙げられます。

雇用保険料率の推移は?

平成29年度から引き下げられた

平成29年度の雇用保険料率は、前年度分の雇用保険料率と比べ引き下げられました。全ての事業について、事業主・労働者分ともに1/1000ずつの引き下げ(合計で2/1000の引き下げ)です。

平成21年度から28年度までの推移

平成21年度から28年度までの雇用保険料率の推移を見てみましょう。平成22~23年度に一度大きく保険料率が上がりましたが、その後平成24~27年度で下がり、平成28年度で落ち着きました。

例えば、農林水産や建築業を抜いた一般事業で見てみると、平成21年で11/1000だったものが、平成22年で15.5/1000まで上がります。そこから、平成28年に11/1000まで下がります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?給与明細から引かれている雇用保険の金額がなぜ毎月違っているのか、また、どのような手当が対象なのかなど、理解いただけたでしょうか?雇用保険には、万が一お世話になることがあるかもしれません。そんな時に備えて、雇用保険について色々調べてみてください。

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