賞与にかかる社会保険料とは?上限や計算方法を徹底解説

社会人になって初めてのボーナスをもらった時、総支給額と差し引き支給額の差に驚いたことはありませんか?賞与から社会保険料が引かれることを知らなかった人も多いことでしょう。毎月の給与から引かれる社会保険料との違いを詳しく説明していきます。

賞与とは

社会保険料の賞与の定義

社会保険の対象となる賞与は、労働の対象として支給される賞与のうち、年3回以下の支給のものとなります。法律により、賞与からも社会保険料を控除するようになっています。年4回以上支給されるものは賞与として取り扱わず、標準報酬月額の対象となります。(標準報酬とは、被保険者が事業主から受ける報酬の月額を、区切りのよい幅で区分したもののことです。)

いつから社会保険料がかかるように?

平成15年度以降は総報酬制を導入

総報酬制とは、毎月の給与からのみ徴収されていた社会保険料が、賞与からも同じように徴収される仕組みのことをいいます。標準報酬月額を基準として、保険料率をかけて保険料を負担しています。

もともと社会保険料は賞与の一律1%としており、賞与の多い人は負担が軽く、少ない人は負担が重ということになります。このような不公平さを解消するために導入されたのが、総報酬制になります。

賞与の社会保険料の計算方法や保険料率

計算には標準報酬賞与額を使用

標準報酬賞与額とは、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額のことをいいます。標準報酬賞与額には上限があり、上限を超えた分には社会保険料はかからないことになっています。

健康保険の上限は、年度の累計額で考え540万円になります。厚生年金保険の上限は、1回の支給ごとに考えるため(同じ月に複数回にわたって支給される場合は、1ヶ月間の合計)150万円となっています。県ごとにも保険料率が変わってくるため、注意が必要です。

賞与の健康保険料の計算方法

介護保険第2号被保険者かどうかによって保険料率が変わります。通常は労使折半ですが、健康保険組合によっては、被保険者の割合を少なくし、従業員の負担を軽くしているところもあります。保険料率は、ほとんどの場合で健康保険組合の方が協会けんぽよりも低く設定されています。第2号被保険者ではない場合の保険料率は9.91%、第2号被保険者は11.56%となります。

賞与の健康保険料の計算例

第2号被保険者ではない場合の計算例を紹介します。東京都在住の30歳男性で、20万円の賞与をもらった場合、このような計算になります。
200,000円(賞与額)×9.91%(保険料率)×1/2(労使折半)=9,100円

次に、第2号被保険者の場合を紹介します。第2号被保険者は、40歳〜64歳の医療保険加入者を指します。東京都在住で45歳の男性が、30万円の賞与をもらった場合です。
300,000円(賞与額)×11.56%(保険料率)×1/2(労使折半)=17,340円

賞与の介護保険料の計算方法

40歳以上65歳未満の介護保険第2号被保険者にあたる人が該当となります。資格取得日は40歳の前日であり、前日が属する月から介護保険料が徴収されることになります。

例えば、40歳の誕生日が12月1日の場合、誕生日の前日が11月30日となるため、11月より介護保険料が徴収されることになります。保険料率は1.65%ですが毎年改定され、保険料は労使折半です。

賞与の介護保険料の計算例

賞与にかかる介護保険料は、前述した健康保険料と同じ式で、「賞与額×保険料率×1/2」で計算します。介護保険証1.65%の場合で、45歳の男性が30万円の賞与をもらった場合の計算例を紹介します。
300,000円(賞与額)×1.65%(介護保険料率)×1/2(労使折半)=24,750円

賞与の厚生年金保険料の計算方法

厚生保険料は、標準賞与額に18.3%をかけ、さらに労使折半となります。厚生年金基金に加入している場合は、基金ごとの免除保険料率(凡そ2.4%~5.0%とされる)を控除したものになります。

記載した通り、厚生年金保険料にも上限があります。また、特例ではありますが、同じ人に同じ月に賞与が2回支払われる場合は、2回の賞与の合計額が150万円に達するまで厚生年金保険料がかかります。保険料率は毎年改定されていましたが、平成29年9月分控除分より固定されることになりました。

賞与の厚生年金保険料の計算例

厚生年金保険料の計算例について紹介します。もらった賞与の額に、平成29年9月から固定された18.3%をかけ、労使折半のため1/2をかけた額が自分の負担する厚生年金保険料です。東京都の男性が、20万円の賞与をもらった場合の厚生年金保険料は以下の通りです。
200,000円(賞与額)×18.3%(厚生年金保険料率)×1/2(労使折半)=18,300円

賞与には雇用保険料もかかる

賞与の雇用保険料の計算方法

雇用保険料は、健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料とは違い、賞与額に保険料率をかけて計算します。保険料徴収の対象となる賞与額の上限は設けられておらず、保険料率は毎年改定されます。雇用保険料率は事業の種類(一般の事業、農林水産または清酒製造の事業、建設の事業等)によって税率が異なります。

賞与の雇用保険料の計算例

雇用保険料率は前述した通り業種によって異なります。こちらでは、一般の事業(農林水産・清酒製造・建築以外)の場合で計算します。また、保険料率は毎年変わるので、2017年のもので計算します。2017年に一般の事業に従事している人が30万円の賞与をもらった場合、以下の雇用保険料を支払うことになります。

300,000(賞与額)×(3÷1,000)(2017年一般事業の雇用保険料率)=900円

まとめ

年齢や職業、賞与額によって社会保険料は大きく変わってきます。その年によって保険料率も変わるため、まずは計算方法をしっかりと理解しておくことがとても重要です。総報酬制が導入されましたが、保険料率の引き上げにより事業主、被保険者ともに負担が増えていることも事実であることも知っておかなければなりません。

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