社会保険料と厚生年金を計算しよう!標準報酬月額の基礎知識もご紹介!

給与から天引きされている社会保険料。様々な項目に分かれていますが、一体どのように計算されているのでしょうか。計算の基礎となる標準報酬月額についても詳しく理解し、自分で計算できるようになりましょう。

社会保険料シートでシュミレーション


社会保険にはどのような種類があるのか、またどのようにその金額が決められているのか詳しく見ていきましょう。

社会保険の種類

社会保険というと、年金や健康保険などがあります。具体的には、社会保険には次の5種類が含まれます。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 介護保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

介護保険は40歳以上の人が対象で、給与明細にも『介護保険料』と明記され、控除されているものです。労災保険、雇用保険も含まれますが、今回は、健康保険、厚生年金、介護保険の項目について重点的に説明していきます。

保険料算出に必要な標準報酬月額とは

健康保険、厚生年金、介護保険の保険料を算出するにあたって、『標準報酬月額』を理解する必要があります。標準報酬月額というのは、保険料を算出する際に利用する暫定の金額です。

実際の報酬額に沿って計算するのではなく、報酬をある程度の幅で区切り等級として設けます。その等級に属する人は、等級ごとに決められた金額を保険料算出の際に利用する金額とします。

標準報酬月額を算出する際に報酬に数えるものには、

  • 基本給
  • 残業手当
  • 交通手当
  • 住宅手当

など、固定して支給されるもので、労働者が労働の対価として受け取る全てものです。なお、標準報酬月額はどのようにして決まるかというと、毎年4月~6月の給与の平均です。その3ヶ月の平均が、その後1年間の標準報酬月額となります。

標準賞与額とは

社会保険料を決めるために必要なものに『標準賞与額』というものもあります。こちらは、支給された賞与の金額を、1,000円未満の端数切り捨てとした金額です。324,000円の賞与が支給された場合、標準賞与額は320,000円となります。

対象となるものは、労働の対価として年に3回以下の回数支給されたものです。なお、健康保険では年間累計573万円を上限としており、厚生年金保険は月額あたり150万円を上限としています。上限をこえた分に関しては、保険料は徴収されません。

標準報酬月額の必要性

なぜ標準報酬月額が必要になってくるのでしょうか。実際に受け取った金額を算出すればいいと考えるかもしれません。しかし、報酬の中には残業手当も含まれます。残業手当は月によって変動する代表的な手当です。

そのような変動がある中、毎月毎月金額を計算していたのでは、給与計算者は毎月の給与の支払いに間に合わせることが難しくなってきます。そのため、処理を簡素化することを図り、標準報酬月額という仕組みが出来上がりました。

経済情勢を反映する標準報酬月額

標準報酬月額の平均を見ていくと、その年の経済情勢を見ることができます。下のグラフを見てください。これは各年度の標準報酬月額の平均を示しています。全体の平均、男性の平均、女性の平均と3つの折れ線グラフで示しました。


年々女性の平均があがっていることから、女性の社会進出が考えられます。また、平成20年から21年にかけて、急激に標準報酬月額の平均が下がっていますが、これはリーマンショックによるものとされています。

健康保険料と厚生年金保険料を計算

それでは実際に健康保険料と厚生年金保険料を計算します。例として、年齢35歳、基本給350,000円、通勤手当15,000円、残業手当20,000円とします。報酬は、基本給+通勤手当+残業手当=385,000円となります。
東京都の協会けんぽに加入している場合、等級は26等級、標準報酬月額は380,000円となるので、
健康保険料:380,000円×9.91%×1/2=18,829円
厚生年金保険料:380,000円×18.3%×1/2=34,770円

です。
×1/2としているのは、健康保険・厚生年金保険ともに会社と労働者で負担を折半するためです。このことを、労使折半と言います。

社会保険の加入対象


それでは、社会保険の加入はどのような事業所・従業員が対象になっているのか確認していきましょう。

社会保険対象となる事業所

株式会社や有限会社などの法人の場合、社長1人でも加入対象となります。(雇用保険については、雇用をしなければ対象とはなりません。)個人事業の場合、従業員が5名以上の場合は加入対象です。しかし、農業林業漁業サービス業の場合は加入対象にはなりません。これ以外の事業所では、従業員の半数以上が加入に同意し、事業主が申請した場合、加入することが可能です。

社会保険の対象となる従業員

正社員は社会保険の加入対象です。また、アルバイトやパートタイマーと呼ばれる雇用形態でも、1週間の労働日数や労働時間が正社員と比較して3/4以上だと、加入対象となります。
また労働日数や労働時間が正社員と比較して3/4未満でも、次の条件を満たしていると加入対象です。

  • 週の労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が1年以上(見込み)
  • 賃金が月額が8.8万円以上
  • 学生でない
  • 常時501人以上の企業に勤務

扶養人数と社会保険料の関係


扶養家族がいると社会保険料に変化はあるのか、詳しく見ていきます。

健康保険の扶養家族

健康保険では、扶養家族にも1人につき1枚保険証が付与されます。その場合でも健康保険料は変わりません。1人分の健康保険料負担で、扶養家族全員分の医療費が3割負担となります。

もしこれが国民健康保険の場合、扶養保険の制度はなく、加入する人数×保険料が徴収されるため、健康保険の方が安くつきます。また、厚生年金保険に関しては扶養家族の有無によらず保険料はかわりません。

標準報酬月額と等級

都道府県ごとの保険料額表

社会保険料を計算した際に利用した保険料額表は、東京都のものです。保険料額表は都道府県別に作成されています。健康保険料率が都道府県によって異なるためです。

協会けんぽでは、都道府県毎に医療費を集計し、それに基づいて健康保険料率を決めています。1人当たりの医療費がかかる都道府県は保険料率が高く、医療費がかからない都道府県は保険料率が低い傾向にあります。都道府県ごとの保険料額表を確認したい場合は、全国健康保険協会の都道府県毎の保険料額表を確認してください。

まとめ

いかがでしたか。社会保険と社会保険料の計算の基礎となる標準報酬月額について理解できたでしょうか?今回健康保険は協会けんぽを例にして見てきました。会社で加入している健康保険組合にも独自の料率があるはずです。ぜひ確認してみてください。

ページ上部へ戻る