年金の種類と仕組みをわかりやすく解説!

自分が将来受け取れる年金額について考えたことはありますか?サラリーマンやフリーランス必見の年金の種類や仕組みについて解説していきます。年金の仕組みを理解していれば、万が一の時にもきっと役に立つはずです。

年金の種類と名称一覧


年金には大きく分けて「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2つがあります。そして、それぞれについて「老齢」「障害」「死亡」別の年金保障制度があります。

  • 国民保険:老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金
  • 厚生年金:老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金

一般的には「老齢基礎年金」をイメージしている方が多いかもしれませんが、障害状態になったときの障害年金や、大黒柱の配偶者が亡くなったときの遺族基礎年金も「年金」です。

  • 老齢基礎年金:保険料を支払った期間に応じて支給
  • 障害基礎年金:障害等級に応じた額を支給(子供がいる場合は加算)
  • 遺族基礎年金:老齢基礎年金の満額に、子供の人数に応じて加算した額を支給

サラリーマンや公務員、一定条件を満たしたパートなどは基礎年金の上に厚生年金が上乗せされます。厚生年金保険料は勤務先の会社が半額を支払う仕組みになっています。

  • 老齢厚生年金:保険料納付期間と賃金に応じた額を支給
  • 障害厚生年金:障害等級や賃金、加入期間に応じた額を支給
  • 遺族厚生年金:死亡した人の老齢厚生年金の3/4を支給

公的老齢年金の仕組みと受給権者

日本の年金制度は主に3種類

日本の年金制度は、家でいうと「3階建」で大きく3種類に分類できます。公的年金だと2階建、任意加入の年金制度を含めると3階建となります。

3階|企業年金|私的年金(第2号被保険者)
2階|厚生年金|会社員/公務員(第2号被保険者) 
1階|国民年金|自営業者/フリーランス(第1号被保険者)/専業主婦(第3号被保険者)

国民年金は原則全員加入

【加入条件】
日本国内に居住する20歳以上の人は、原則全員が国民年金(老齢基礎年金)に加入する義務があります。自営業者及び専業主婦(※1階部分)の1ヶ月当たりの保険料は約16,500円です。

【受給資格】
国民年金の受給資格期間は10年です。2017年(平成29年)年8月1日より、「年金機能強化法」が開始され、年金受給資格期間が25年から10年に短縮されました。

【受取額の計算方法】
被保険者期間(20歳から60歳まで)の40年間で、満額で納付した場合の支給額は年額で約78万円(月額約65,000円)です。

会社員と公務員は厚生年金も

「厚生年金」は2階部分にあたり、会社員、公務員の期間のみ加入します。ですから、就業期間に応じて個人差があることになります。また、所得に応じて保険料が変わります。

【加入条件】
厚生年金とは、会社員や公務員である期間に加入する年金制度です。20歳以上60歳未満が対象者です。一定の条件を満たした事業所は厚生年金保険の加入義務があります。

【受給資格】
一般社員の勤務時間及び労働日数の3/4以上働いている人は、厚生年金への加入義務が発生します。

【受取額の計算方法】
厚生年金は加入期間中の平均給与によって受給額が決まる計算方法になっております。計算式は、以下の通りです。
年収(月給+賞与)÷12の平均=「平均標準報酬額」

年金払い退職給付とは

2015年10月施行の年金改革制度で、「厚生年金」と「共済年金」が一元化し、新たに「年金払い退職給付」となりました。これは公務員の年金がサラリーマンより毎月2万円ほど高かった「共済年金」の優遇制度である「公務員退職給付」の3階部分が廃止され、保険料率改定の後に「年金払い退職給付」として導入された制度になります。

国民年金基金とは

自営業者やフリーランスなどが、国民年金の上乗せとして加入できる公的年金制度です。基金設立の趣旨は国民年金を補填して厚生年金の受給者との年金格差を是正するためです。加入は任意で、収入やライフプランに合わせて自由に年金設計ができます。掛金が全額社会保険料控除の対象となりますので、所得税や住民税が軽減され、税制面でも有利に働きます。

【加入条件】
東京都内に住民票があり、国民年金の第1号被保険者(上図の1階部分)で、国民年金保険を納めている20歳以上60歳未満の方が加入できます。

私的老齢年金の種類

企業年金とは

企業が勤労者の老後の生活をより豊かにするために、公的年金に上乗せして選択できる年金制度です。

【企業年金の種類】
どの企業年金制度を導入するかは企業の選択次第です。主な企業年金は3種類あります。

  • 確定給付企業年金
  • 厚生年金基金
  • 企業型の確定拠出年金(企業型DC、企業型401K)

【加入条件】
勤務先の会社に企業年金制度があれば強制的に加入することになります。また、3階部分がない会社員の方も、自助努力で3階部分をつくることが可能です。

【受給資格】
1ヵ月以上の厚生年金基金の加入期間があれば、65歳から年金を受け取ることができます。(厚生年金基金が解散による「代行年金」に該当する方は一部異なります。)

個人年金保険とは 

国民年金や厚生年金などの公的年金を補填する目的で加入する私的年金です。積み立ての用途に老後資金や教育資金、住宅資金などがあります。年金の受け取り方に、一定期間は確実に受け取れる「確定年金」と保証期間が付いた「保証期間付き終身年金」があります。

確定拠出年金 個人型と企業型の違い

確定拠出年金は上図の3階部分に該当し、現役時代の掛金を確定して納める「私的年金」「企業年金」です。「個人型」と「企業型」では運用方法が異なります。

個人型(iDeCo)    

  • 加入は任意加入
  • 掛金は自己負担
  • 納付は自己納付
  • 金融機関は自己選択
  • 指定金融機関の運用商品
  • 口座管理料は自己負担

企業型

  • 企業として加入
  • 掛金は会社負担
  • 会社納付(給与天引き)
  • 金融機関は会社が選択
  • 会社指定機関の運用商品
  • 会社負担のケースが多い

障害年金の種類と受給資格

障害基礎年金と障害厚生年金

【障害年金の種類】
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、どちらが適用されるかは「初診日時点にどちらの年金に加入しているか」で決まります。

  • 国民年金:「障害基礎年金」
  • 厚生年金:「障害基礎年金」+「障害厚生年金」

障害の程度により、重いものから「1級」「2級」「3級」と3つの等級を設けており、障害基礎年金「1級」と「2級」は障害基礎年金と障害厚生年金の2階建ての年金が支給され、「3級」は障害厚生年金のみの支給となります。

【受給資格】
初診日から1年6ヵ月の期間を経て、20歳の誕生日または65歳の誕生日の前日までに障害の状態となった場合で、次の1もしくは2の要件を満たしていることが受給資格となります。

1.初診月の前々月までの公的年金(国民年金もしくは厚生年金)の加入期間のうち、2/3以上の期間の保険料が納付もしくは免除されていること。
2.初診日において65歳未満であり、初診月の前々月までの1年間の期間で保険料の未払いがないこと。

【受取額の計算方法】
障害基礎年金は加入期間にかかわらず定額で、1級は約98万円(2級の1.25倍)、2級は約79万となります。これに加えて「子供の加算」があり、加算額は子供1人で約23万円、子供2人で約46万円、子供3人で約53万円です。

【障害厚生年金3級 報酬比例】
また、3級の場合は最低保証の約58万円か「報酬比例」の年金額となります。
「報酬比例」の年金額の計算式は以下となります。(総報酬制導入前と後で計算式が異なる)

平均標準報酬額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数(月給の平均)
+ 平均標準月額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数(月給+賞与の平均)

遺族年金の種類と受給資格

遺族基礎年金と遺族厚生年金

家計を支える世帯主に万が一のことがあった際の遺族補償の基本となるものです。

【遺族年金の種類】
遺族年金には自営業者やフリーランスの方向けの「遺族基礎年金」と会社員や公務員の方向けの「遺族厚生年金」との2種類があります。遺族基礎年金は別名「子育て支援年金」と呼ばれ、子供が高校を卒業するまでの期間限定の年金です。一方で遺族厚生年金は別名「夫婦年金」と呼ばれ、妻は支給期限がありませんし、子供がいなくても受給できます。

【受給資格】
国民年金または厚生年金の資格期間を見たしている者が死亡したときです。加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。または、死亡した日の属する月の2ヵ月前までの1年間に保険料の未納がないことが条件となります。

【受取額】
遺族基礎年金の受給額は、老齢基礎年金の満額と同一で、約78万円です。老齢基礎年金との大きな違いは「加入期間の長さが受給額に影響しないこと。」「遺族の人数によって年金額に一定の加算があること。」です。遺族厚生年金の支給額は、本来受け取れるはずだった厚生年金の3/4となります。

寡婦年金と死亡一時金

国民年金のみに加入している方々は、会社員に支給される遺族厚生年金は支給されませんし、一定年齢までの子供がいない場合は遺族基礎年金も支給されないことになります。寡婦年金とは、「保険料を払ってきたのに何も受け取れない。」このような「掛け捨て」を防ぐための制度です。

寡婦年金は保険料を25年掛けること、死亡一時金については3年以上掛けることが条件です。受け取れる遺族は「妻のみ」で、死亡一時金は「配偶者、子供、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹」の優先順位となります。寡婦年金は残された妻が60〜65歳の5年間の有期年金で、死亡一時金は1回きりの支給となります。

まとめ

世間一般で言うところの「年金」よりも多くの種類があることに気づいた方も多いのではないでしょうか。それぞれの年金の仕組みを理解していれば、長い人生を生きていくうえで必ず役に立つはずです。老後の貯蓄について考える良いきっかけにしてみてください。

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