「忸怩たる思い」とは?意味や使い方を例文つきで徹底解説!

何となく知っているようで知らない「忸怩」について、読み方をはじめ、正しい使い方、意味、そして例文を紹介していきます。言葉の響きから、誤用にも注意して解説していきます。

忸怩とは?

忸怩の読み方は「じくじ」

忸怩の読み方は、「じくじ」です。どちらも普段使いしない漢字から作られた熟語なので、難読漢字とも言えるでしょう。この漢字の難しさや読みにくさが誤用の原因になっているのですが、詳しくは後で説明します。

忸怩の意味は自らの言動を恥じること

忸怩の意味は、「自らの言動について深く恥じ入ること」です。ただ単に恥ずかしい、というレベルではなく、かなり深く恥じる心を表現します。

わかりやすくいくと、だらしなくあくびをするところを同僚に見られたなど、個人レベルの羞恥心ではなく、もっと深刻な時に使います。「会社の経営で大損害を被るような言動をしてしまった」または、「何代も続く会社を倒産させてしまった」というほど重大な出来事をしでかした自分に対して、深く恥じ入るときに用います。

忸怩の語源は漢字「忸」「怩」の意味

忸怩の漢字について説明します。

「忸(じく)」…訓読みは「な・れる」又は「は・じる」です。意味は、(1)恥じる。恥ずかしい。(2)なれる。慣れ親しむ。となっています。

「怩(じ)」…訓読みは「は・じる」です。意味は、恥じる。恥じ入る。となっています。

忸は、(2)のような意味もありますが、おそらく(1)の意味で使われています。すなわち、どちらも恥じ入る気持ちを意味する漢字です。二つを重ねて強調することで、大変恥ずかしいという気持を表現しています。

主に「忸怩たる思い」の形で使用する

とてつもなく恥ずかしい気持ちを文章や言葉で表すときには、「忸怩たる思い」の形で使用します。具体例として、

「私の言動でこのような損害を被り、忸怩たる思いです。」
「会社を倒産させてしまい、忸怩たる思いだ。」

といった場面で使います。前述したように、個人ではなく公的で大きな恥に対して使います。

忸怩たる思いとは?

意味は自らを心の内で深く恥じること

「忸怩たる思い」は、「自らを心のうちで深く恥じ入る」「とても恥ずかしく感じる」「そういう言う思いを心中に抱く」という意味になります。会社、もしくは国家レベルでの大きな組織における場面で使われる表現ですから、使う機会は少ないでしょう。ですが、あくまで社会人の一般教養として、使い方を知っておきましょう。

恥ずかしく情けないと感じる時に使用

一般的に、恥ずかしく、情けないと感じる時に使用します。ただ、「恥ずかしい、情けない」だけでなく、「本当に反省しております。申し訳ございません。」という気持も表現しています。

シチュエーションの例を挙げると、トラブルが発覚した大手会社の重役や、スキャンダルを起こした政治家などが、「忸怩たる思いです」と頭を下げている場面が考えられます。「恥ずかしく、情けないですが、反省し誠意をもって謝罪します。」という気持を言葉で表現するときに使われています。

悩むや腹立たしいとして使うのは誤用

「忸怩」は「じくじ」と読むために、意味を誤解されやすいです。「じくじ」という読みから、「じくじく、ぐじぐじ、うじうじ」が連想され、「悩む」という意味と取られることがあります。また、「腹立たしい」「イライラする」という意味とも誤解されがちです。

忸怩たる思いの使い方や例文は?

忸怩たる思いを抱く

「忸怩たる思いを抱く」の例文を紹介します。「忸怩」を使った文章として最も使用例が多い構文と言えるでしょう。

「属する部署全体の責任とはいえ、内心、忸怩たる思いを抱く。」
「取引先に迷惑をかけた今回の問題に関して、忸怩たる思いを抱く。」

忸怩たる思いをする

「忸怩たる思いをする」は、前述した「忸怩たる思いを抱く」とほぼ同じように使用できます。

「計画がうまく進まずに、忸怩たる思いをする。」
「大失敗をして、忸怩たる思いをする。」

忸怩たる思いに駆られる

こちらも使い方としては同じですが、「駆られる」という言葉からより恥じ入っている様子を表すことができます。

「思い出すたびに、忸怩たる思いに駆られる。」
「忸怩たる思いに駆られながらも、今日もいつも通りの業務をこなす。」

忸怩たる思いと似た意味の類語は?

自責の念にかられる

意味としては、「悪いことを犯したことに対する後悔の気持ちを持つこと。」「自分を責めること。」「恥と思い、悔いること。」とされています。「自責」は、自分で自分の過ちを責めるという意味です。ここでの「念」は、自分の気持ちや、思いになります。

「忸怩たる思い」よりも、追い詰められたような、深刻な場面で使うことがあります。使用例は以下の通りです。

「自責の念にかられて、店を閉めようかと悩んだ。」

自己嫌悪に陥る

「自分で自分が嫌になること。」「今まで持っていた自信を無くすこと。」「自分に対して嫌悪感を抱くこと。」と言う意味の言葉です。

「忸怩たる思い」が公の場で使われることが多い表現に対して、「自己嫌悪に陥る」は、公の場でも、個人的な場でも使うことができます。以下のように使用します。

「大切な場面で大きな失敗をしてしまったので、自己嫌悪に陥っている。」

慚愧に堪えない

「慚愧に堪えない」は「ざんぎにたえない」と読みます。意味は、「自分の行いについて、残念に思い、反省すること。」「恥ずかしく思うこと。ひどく残念であるさま。」です。

とても残念で仕方ない気持ちを表現するときに使います。「慚愧」は、恥じることを意味しますが、元々は仏教用語で、慚と愧は別々の語になります。

「慚」…自らの心に罪を恥じること。又は、自ら罪を犯さない事。
「愧」…他人に対して罪を告白して恥じること。又は他に罪を犯させない事。

恥ずかしいという思いの表現としては、「忸怩たる思い」にとても近いです。

まとめ

わりと深刻な場面で使う「忸怩たる思い」を使う場面にはあまり出くわしたくないものです。しかし、仕事をしていく上で大人として知っておかなければならない言葉の一つです。意味をしっかりと理解して、誤用することがないよう気を配りましょう。

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