「前略」の意味は?結語は「草々」?「拝啓」など他頭語との違いは?

手紙などの最初に「前略」とよく書かれていますが、この言葉の意味をご存知でしょうか?他にも「拝啓」と書かれている場合があり、実際に手紙を書く際はどれを使えばいいのか迷ってしまうかもしれません。この記事では、「前略」という言葉の意味や「拝啓」などの他の言葉との違いなどについて説明していきます。

「前略」とは?


それではまず、「前略」の意味について詳しく解説していきます。

「前略」の意味

手紙を書く際は、一般的に時候の挨拶(寒い日が続いておりますが〜 など)を冒頭に記載することがマナーとされています。「前略」はその儀礼的な挨拶を省略することを伝えるために記載する言葉です。そのため、「前略」と記載した後に時候の挨拶を書いてしまうと間違いですので注意が必要です。

「前略」は『頭語』の一つ

手紙を書く際は、『頭語』と呼ばれる言葉を冒頭に記す決まりがあります。「拝啓」や「冠省」といった言葉も頭語の一つです。また、手紙の最後には『結語』と呼ばれる単語や文を記載することもマナーです。「敬具」や「草々」「かしこ」などが結語に当ります。頭語と結語については以下で詳しく説明していきます。

『頭語』と『結語』とは?使い方は?


次に頭語と結語について解説していきます。頭語・結語ともに様々な種類のものが存在し、手紙を出す相手や状況によって使い分けが必要です。また、これらには決められた組み合わせがありますので、それぞれご紹介していきます。

手紙に使う決まった組み合わせ

まずは手紙を書く場合の基本的な構成についてご説明します。一般的な構成としては「頭語・前文・本文・末文・結語・あとづけ」という6つの要素が挙げられます。

頭語は前述の通り、「前略」「拝啓」など手紙固有の挨拶語です。次の前文では時候の挨拶や相手の近況を尋ねる文を記載。「前略」「冠省」などの頭語は、この前文を省略する意味ですので、その場合は頭語の後に本文に入ります。

本文では手紙で伝えたい本題の内容を記載しましょう。その後に末文と呼ばれる、相手の健康を気遣う文や返事を求める旨などを記します。最後に結語を書き、あとづけで差出人の署名や日付を記載して完成です。ただし、結語は頭語に対応したものを使用する決まりがあるので注意が必要です。

『頭語』と『結語』一覧

上記の通り、頭語にも結語にも様々な種類があります。一般的には頭語として「拝啓」、結語として「敬具」を使う場合が多く、相手やシチュエーションに関わらず使えるものになります。急ぎの場合や親しい間柄では頭語として「前略」、結語として「草々」を使います。また、目上の方に宛てるときは頭語として「謹啓」、結語として「謹言」を使うなど、使い分けが必要です。

「前略」は急ぎの場合に使う

それでは、「前略」を使うケースを詳しく説明します。繰り返しになりますが、「前略」は時候の挨拶などの前文を省略する意味合いですので、急ぎの場合や親しい相手に向けた場合に使われるのです。また、お詫びやお見舞いの手紙では、前文を省略するために「前略」が使われることもあります。

「前略」の結語は「草々」か「不一」

頭語として「前略」を使用した場合は、結語に「草々」か「不一」を使用するのが決まりです。一般的に「前略」に対応した結語が「草々」で、「冠省」に対応した結語が「不一」とするのがマナーです。ただし、どちらもほとんど同じ意味ですので「前略」と「不一」のように組み合わせが違っても間違いではありません。

「前略」はビジネスで使ってもいい?


前略という言葉の意味や使い方について説明してきましたが、ここではビジネスシーンにおける扱いについて解説していきます。

ビジネスでは使わない

基本的に、ビジネスシーンでは「前略」を使用しないのがベターです。前文の挨拶を省略しているため、「簡略化したもの」と見なされますので、マナー違反と受け取られる可能性があります。

ただし、上に記載した通り、急いで用件を伝えたい場合や深いお詫びの気持ちを伝える際など、使っても問題ないケースもありますのでしっかりと把握しておきましょう。通常であれば親しい間柄のみで使うのが無難です。

ビジネス文書では「拝啓」「謹啓」

では、ビジネスシーンで使う頭語と結語は何が正しいのでしょうか?目上の方に使うものとして「拝啓」「謹啓」などの頭語をご紹介しましたが、ビジネスシーンでもこれらを使うことが一般的です。その場合の結語は「謹言」「謹白」などが使われます。ビジネスの現場では、いかなる相手に対しても敬語を使うことが基本ですので、手紙の場合も同様の考え方となります。

「前略」の例文は?


それでは実際に「前略」を使った例文をご紹介します。

「前略」を使った手紙の例文

「前略 取り急ぎ用件をお伝えしたく存じます」
この場合は、急ぎ伝えたいことがあるケースですので「前略」を使って前文を省略しても構いません。

「前略 この度は弊社製品の不備でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」
深いお詫びを述べる際などは、一番最初に謝罪の言葉を記すため、前略を用いて前文を省略する使い方もあります。

「前略失礼致します。先日お伝えした件でご相談させて頂きたく、ご連絡致しました。」
ビジネスシーンで使用する際は、「前略失礼致します」のように断りの文として記載すると、受けてもやや柔らかな印象を抱きます。「前略」のみではトゲのある言い方になりそうな場合は、このように文章として使用すると良いかもしれません。

女性は結語に「かしこ」を使う?


最後に特殊な結語である「かしこ」についてご説明します。

「かしこ」の意味

「かしこ」は手紙の書き手が女性の場合のみ使われる結語です。「畏る(かしこまる)」から来ており「恐れ多い、恐縮するさま」を指しています。文章の最後に記すことで、相手への敬意を表した言葉です。

また、原則として「かしこ」はどの頭語に対しても結語として使用することができます。「拝啓」や「前略」などの頭語には、それぞれ対応する結語が決められていましたが、「かしこ」はどの頭語に使っても女性ならばマナー違反ではありません。

「かしこ」を使った例文

それでは実際に「かしこ」を使った例文をご紹介していきます。

前略

取り急ぎ、用件をお伝えしたく存じます。
先日送付致しました書類につきまして、○月○日までにご返送頂けますと幸いです。
寒さの厳しい日が続いておりますが、くれぐれもご自愛ください。

かしこ

平成30年○月○日
担当:○○
株式会社○○ ○○様

上記のように、頭語に前略を使った場合は前文を省略できますので、頭語・本文・末文・結語・あとづけといった構成になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?手紙には独自のしきたりやマナーがあり、知らないと相手に不愉快の思いをさせてしまうかもしれません。特に頭語と結語のルールは複雑で種類も多いので、この記事を参考にして正しく使えるようにしておきましょう。

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