「憐憫」の意味は?類語「不憫」との違いや使い方を例文付きで解説!

「憐憫(れんびん)」という言葉が使われることがあります。ニュースや小説等の書籍の中で目にする機会がありますが、なんとなく悲しそうな雰囲気は感じても、正確な意味を知らない方が多いのではないでしょうか。同じような場面で使われる「不憫」との違いも含めて、意味や使い方を解説します。

憐憫とは?

憐憫の読み方は「れんびん」

「憐憫」の読み方は「れんびん」です。「憐」と似た漢字に「隣」や「燐」など「りん」と読むものがあることから、「りんびん」と間違えやすいため、気をつけましょう。「憫」という字は馴染みが薄いかもしれませんが、「不憫」と同じ「びん」と意識すれば覚えやすいかもしれません。

固い言い回しが求められる場で「憐憫」を使う機会があるかもしれません。読み方を正しく覚えておくことは大切です。

憐憫の意味は「可哀想に思うこと」

「憐憫」の意味は「可哀想に思うこと」です。自分からみて、他人の悲しみや不幸な状況を「あわれだ」「可哀想だ」と感じることを言います。あくまで他人に対して使われる言葉で、自分自身に対しては使いません。

また、「憐憫」は上の立場の者が下の立場の者に対して同情し、あわれむことを言います。誰に対しても使う表現ではない、ということを覚えておきましょう。

憐憫の憐を隣や燐と書くのは間違い

憐憫の「憐」を、こざとへんの「隣(となり)」やひへんの「燐(りん)」と間違えないようにしましょう。「隣」は「隣家」「隣人」など、よく見かける漢字です。「燐」は元素のひとつであるリン、また鬼火や人魂を意味する「燐火」などに使われます。

憐憫の「憐」はりっしんべんの「あわれみ」という字です。りっしんべんは漢字で「立心偏」と書き、心に関する漢字に多く使われています。

憐憫の憫は「愍」と書く場合がある

憐憫を「憐愍」と書く場合があります。意味は憐憫とまったく同じですが、「憫」を「愍」という字に置き換えています。

「憫」も「愍」も「びん」と読み、一字で「可哀想に思う」「あわれむ」という意味を持ちます。また、どちらの漢字にも「みん」という読み方があるため、憐憫および憐愍は、「れんみん」と読むことも出来ます。

憐憫(れんびん)の類語や同義語は?

不憫、同情、惻隠、可哀想、憐情

不憫

不憫も憐憫と同様に「あわれに思うこと」という意味を持っており、ほぼ同じ意味と考えて良いでしょう。

同情

相手と同じ立場に立ち、苦しみや悲しみを自分のことのように感じること、気持ちに寄り添うことを表します。

惻隠

「そくいん」と読み、こちらも「可哀想に思うこと」などの意味があります。孟子が唱えた性善説に出てくる言葉です。

可哀想

「同情や救ってやりたいという気持ちを誘うさま」を表します。憐情も「あわれむ気持ち」「あわれみの心」という意味です。

憐憫と不憫の違いは?

憐憫は名詞、不憫は形容動詞

憐憫は「かわいそうに思うこと」「あわれみの気持ちを持つこと」を意味する名詞です。対して不憫は名詞のほか、「かわいそうな」「あわれな」という形容動詞として使われます。かわいそうな状況にある人に対して、「不憫な人」「不憫な境遇」など、不憫のあとに名詞を足して用いられます。意味はほとんど変わらないため、対象や状況に応じて使い分けると良いでしょう。

憐憫の正しい使い方と例文は?


憐憫の正しい使い方を、例文とあわせて紹介します。

憐憫の情

他人に対し「あわれだ」「可哀想に」と思う気持ちです。「〜を覚える」「〜を禁じ得ない」など、動詞と組み合わせた使い方をします。

例文:悲しむ友人に、憐憫の情を覚えた。
例文:困難に苦しむ人を見ると、憐憫の情を禁じ得ない。
例文:彼の出で立ちに、憐憫の情を抱いた。

憐憫の眼差し

あわれむような視線を向ける様子です。
例文:弱々しい様子に、憐憫の眼差しを向けた。
例文:ひどく落ち込む姿に、憐憫の眼差しが注がれた。

憐憫を垂れる

主に目上の者から目下の者に、あわれみの気持ちを与えることを言います。
例文:努力を続ける私に、憐憫を垂れてくれたようだ。
例文:何度も躓く姿に憐憫を垂れたのか、手助けを申し出てくれた。

憐憫の念

他人へのあわれみの気持ちを意味します。憐憫の情と同じような状況で用いることが出来ます。
例文:不幸な境遇を目の当たりにし、胸に憐憫の念がわく。
例文:憐憫の念まじりに、困っている通行人に声をかけた。
例文:苦しみ嘆く声に、憐憫の念をもって答える。

自己憐憫

「自分はなんて不幸なのだろう」「自分はあわれだ」など、自分自身についてあわれみの気持ちを持つことを言います。あくまで自分を取り巻く状況が嫌になり、自分に情けをかけている状態です。その点で、自分の言動に嫌気が差し自分を嫌う自己嫌悪とは異なります。
例文:彼女は過去を振り返り、自己憐憫に浸っているようだ。

憐憫を英語で言うと?


憐憫と同様の意味を持つ単語と、例文を紹介します。

pity

「かわいそうに思う」「気の毒に思う」などを意味する単語です。
例文:It is a pity that you cannot come to the party.
パーティーに来られないなんて気の毒です。
例文:What a pity!
可哀想に!

compassion

「同情心」「あわれみの心」という意味を持ちます。
例文:I have compassion for you.
あなたに同情します。

sympathy

「同情」「あわれみ」「思いやり」などを表します。
例文:I feel sympathy for him.
私は彼をあわれに思った。
例文:You have my sympathy.
あなたに同情します。

まとめ

日常会話の中ではあまり登場しない「憐憫」という言葉。正しい意味と使い方を知っておくことで、いざという時に戸惑わずに済みます。どのような場面で使う言葉か理解し、正しい意味を受け取るようにしましょう。また、類語や同義語もあわせて覚えておくと、様々な場面で応用することができます。固い言い回しが必要なときに、「憐憫」という表現を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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