個人事業主が加入できる健康保険は?健康保険組合は安い?

日本では国民皆保険制度が導入されており、国民の誰しもが何らかの医療保険制度に加入することになっています。この記事では個人事業主が主に加入を検討する、国民健康保険や任意継続などの4種類の制度について、それぞれの特徴や加入条件を紹介します。

国民健康保険について

多くの個人事業主が加入

国民健康保険は、自営業者や無職の人、高齢者が加入者の中心となっています。アルバイトやパートでも、勤務時間や勤務日数の少ない人は国民健康保険に加入することがあります。

市町村が運営しているので、手続きはすべて最寄りの市町村役場で行うことになり、世帯単位で保険料が決定されます。会社員や公務員以外の人向けの制度であることから、個人事業主の多くが加入しています。

前年収入を基準に健康保険料が決まる

国民健康保険料の額は、所得割、均等割、平等割の3つを組み合わせて算定します。まず、世帯ごとの前年の所得に対して保険料を掛けて所得割を算出します。

そして、各世帯の被保険者の人数ごとに課される均等割と、世帯単位でかかる平等割を加えて、保険料額を決定します。ただし、具体的な計算方法は各市町村に委ねられていますので、それぞれの市町村に確認をしてください。

社会保険の任意継続について

会社を退職後2年継続することが可能

任意継続とは、会社を退職した後の2年間に限り、在職中と同じ健康保険制度に引き続き加入することができる制度です。任意継続をすると、原則として在職中と同じ給付を受けることができ、また、配偶者や家族の被扶養者としての資格も継続します。

保険料は退職時の標準報酬月額をもとに計算しますが、上限が28万円となっているため、退職時の標準報酬月額が28万円を超える場合は、28万円に保険料を掛けて算出します。

任意継続できる条件

退職の日までに2か月間継続して健康保険に加入していて、退職日の翌日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すると、被保険者資格を継続することができます。手続きは本人が行うのが原則ですが、会社が代わりに手続きをしてくれることもありますので、退職前に確認しておきましょう。また、保険料を納付期日までに納付しないと、資格が自動的に喪失してしまう点も注意が必要です。

健康保険料は2倍に

在職中は保険料の半分を会社が負担しますが、退職後は会社が負担することはありませんので、全額を本人が負担することになります。ただし、国民健康保険が世帯全員の人数によって保険料が決まるのに対し、任意継続の場合は被扶養者については保険料がかからず、本人のみが保険料を負担します。

つまり、任意継続すると保険料は2倍になりますが、被扶養者が何人いても保険料は変わらないため、被扶養者が多ければ多いほど、国民健康保険に加入するよりも保険料が安くなる可能性があります。

国民健康保険組合について

組合が運営する国保

国民健康保険組合とは、同じ職種の事業を行う人が加入して組織される組合のことです。組合が定める地域内に住む人であれば加入することができますが、職種ごとに運営されていますので、職種が同じでなければ加入することができません。

健康保険組合は国から補助金を受けており、適正な運営を行う観点から、組合員の事業内容や所得状況の定期的な確認を行っています。

主な国民健康保険組合

医師、薬剤師、土木などの職種ごとにおよそ180の組合が存在しています。代表的な組合として、IT事業を行う人で組織される関東ITソフトウェア健康保険組合や、フリーのデザイナーが加入できる文芸美術国民健康保険組合、美容業界者による東京美容国民健康保険組合などがあります。組合では、法定給付以外に独自の付加給付を設けていて、出産したときや死亡したときの給付が手厚くなっている点も特徴の一つです。

収入が多い人には有利

市町村が運営する国民健康保険は所得が多ければ多いほど保険料が高くなる仕組みとなっています。それに対し、健康保険組合は所得にかかわらず保険料が定額の場合が多いので、所得の多い人ほど保険料が安くなる可能性があります。

ただし、市町村の国民健康保険には低所得者への保険料免除措置があります。そのため、低所得者は国民健康保険の方が有利になるかもしれません。

両親や配偶者などの扶養とは?

社会保険に加入する家族の扶養に入る

個人事業主が自ら被保険者とならずに、社会保険に加入している配偶者や両親、兄弟姉妹の扶養に入るのも選択肢の一つです。扶養に入っても被扶養者が保険料を負担することはなく、被保険者の保険料額も変わらないため、保険料の負担を抑えることができます。また、扶養に入り国民年金の第3号被保険者になると、毎月の年金を納める必要がなくなるというメリットもあります。

年収130万円未満などの条件

同居している配偶者や両親の扶養に入るためには、年収が130万円未満で、かつ、配偶者や両親の2分の1未満の年収であることが条件となっています。個人事業主の場合、必要経費を差し引いた年収が130万円未満であれば扶養の条件を満たすことになりますが、健康保険組合の中には、必要経費を差し引かず、売上ベースで年収130万円未満かどうかを判断する組合もありますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

まとめ

それぞれの保険制度は家族構成や収入によって保険料が異なり、加入条件や受けることのできるサービスにも違いがあります。それぞれの保険制度のメリットとデメリットを正しく理解して、どの健康保険に加入するのが良いのか検討してみてください。

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