法人化で消費税の納税義務のメリットはある?お得なタイミングは?

個人事業主でも前々年度の課税売上高が1,000万円を超えた場合は消費税の納税義務が発生します。法人も個人事業主同様に消費税の納税義務があるのですが、その要件は個人事業主の場合と比べるとどのように異なるのでしょうか。この記事では、法人が消費税を免除される条件やそのメリット等を見ていきたいと思います。

消費税の納税義務の免除の基準

消費税の納税の仕組み

私達が普段買い物をする時に支払っている消費税ですが、それは事業者の売上になるわけではなく、事業者が税金として国に納めなければなりません。その場合は、課税売上で預かっている仮受消費税から取引先等に支払った仮払消費税を引いた額を納税します。自分が支払った消費税は相手先が納税する形になるため、売上に係る消費税から自分が支払った消費税を差し引くことができます。

納税義務免除の基準は1000万円

しかし、場合によっては消費税の納税が免除されている事業者も存在します。その基準としては、前々年度の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかによって判断されます。そのため、前々年度の課税売上高が1,000万円以下の場合は消費税を納める義務はありません。

開業から2年は原則として免除

それにより、開業から2年は自動的に消費税が免除されるという形になります。前述した通り消費税を納税義務が発生するかどうかは前々年度の課税売上高に起因しますが、開業から2年経たないと前々年度の課税売上高が発生しないからです。

法人化した場合の消費税の扱いは?

法人化した場合は新たに事業年度をカウント

法人の場合も個人事業主と同様前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えていない場合は、消費税の納税を行う義務は免除されます。そして、個人事業主から法人になった場合は事業年度がそのまま継続されるわけではなく、法人になったタイミングで一度リセットされる点に注意しましょう。

個人+法人で最大4年消費税が免除に

法人になったタイミングで事業年度がリセットされることにより、個人事業主として2年が経過し消費税が課税されるタイミングで法人化をすると、更に2年免除期間が延長されます。個人事業主として課税売上高が1,000万円を超えてしまった場合には、このように法人化することによるメリットを享受できるでしょう。

消費税の納税義務の免除の注意点

法人化で免除の対象にならないケース

しかし、法人化しても消費税が免除にならないケースが存在するため注意が必要です。まず、資本金が1,000万円以上の場合は1期目から消費税を納税する義務が生じます。同様に、特定新規設立法人として設立された場合も1期目から消費税の納税義務が発生するため注意しましょう。

法人化で1年しか免除にならないケース

そして、法人化して1年目は消費税が免除になるものの、2期目からは消費税の納税を行わなければならないケースも存在します。その要件としては、「第一期目の最初の6ヶ月の売上と支払い給与が共に1,000万円を超えた場合」と定められています。この場合は2期目から消費税を納税する義務が発生します。

輸入業者は課税事業者も選択肢

基本的には消費税は免除された方が何かと都合が良いものですが、例外として課税事業者を選択した方が良いケースもあります。例えば輸入事業者であれば国外輸出をした際には消費税が免除されますが、国内で仕入れたものには消費税がかかってきます。この場合は預かっている消費税より支払った消費税の方が多いため税還付を受けることが可能です。

しかし、税還付を受けるためには課税事業者である必要があるため、もし自社が免税事業者に認定されている場合は税還付を受けることができません。そのため、輸入業者のような税還付の可能性がある場合は敢えて課税事業者を選択するといった方法も考えられるでしょう。

納税義務が発生した場合の計算方法

本則課税

課税される消費税額の計算には二種類の方法が存在します。その一つとして挙げられるのが本則課税であり、原則的にはこちらが用いられています。本則課税では「課税売上等の消費税―課税仕入れ等で支払った消費税」という形で消費税額を求めることが可能です。

簡易課税

もう一つの方法は簡易課税と呼ばれるものであり、こちらでは課税売上に対する消費税額に一定の割合を掛けて消費税額を求めます。簡易課税は本則課税に比べると簡単に消費税額を求めることができますが、中小企業のみの特例であること、そして事前に届け出が必要な点に注意しましょう。また、簡易課税を行ったからといって消費税が安くなるわけではなく、場合によっては本則課税で計算した方が安くなることもあるようです。

まとめ

個人事業主も法人も前々年度の課税売上高が1,000万円を超えた場合は消費税を納税する義務が生じます。しかし、開業や設立から2年目までは前々年度の売上がないため、基本的には消費税の納税が免除されるという形になります。この期間を上手く活用することで節税を行うことが可能でしょう。

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