「いらっしゃる」の他は?「いる」の正しい尊敬語の使い方

ビジネスでは敬語を使い分けることがたくさんあります。今回は、取引先や上司を相手にする際に使われることの多い「いる」に限定して、「いらっしゃる」以外にも抑えておくべき正しい尊敬語の使い方をお伝えします。

「いる」が使われるシーンとは


「いる」は、動くものが動かないで停留しているというのが元の意味です。それが派生して、物事の存在や有無を表す意味の言葉となっています。こうした意味を踏まえて、「いる」の尊敬語を抑える前に、どのような用途で「いる」が使われているのか?ビジネスで使用されるシーンを紹介します。

在籍を確認するとき

相手先の企業や組織や団体に、現在所属しているかの確認で使います。また、所属をしていて尚且つ、職場に在席しているかどうかのときにも使われます。相手方を呼び出したり対応を願う際には、まずは居るかどうかの確認がとれてからです。ビジネスでは確認事項として、相手先への電話や訪問のときに「いる」は使用されます。

動物などが存在する場合

「いる」の対象は人間に限らないで、動物も対象となります。動物を対象にしての確認のときも、在籍と同様に使用します。

行動としての扱い

「いる」は何を行動をしているどうかの表現として扱うことができます。相手方が何かをやっているときや、その場に留まっているときに、現在進行形で使われます。、取り込み中や作業中であることを伝える場合は「いる」を使って相手方へ伝えます。

所有物の有無

資格や物品を対象にして、持っているかどうかの確認のときに「いる」で有無を伝えます。また、興味・関心や経験の有無においても、所有物と同様に「いる」で伝えることができます。相手方へアピールをするときには、実績や功績を持っているということで「いる」を使うこととなります。

「いる」の尊敬語は2パターン


「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」と「おいでになる」の2つがあります。同じ尊敬語だからといって、いつどっちを使っても大丈夫といものではありません。使い分けの区分がされていますので、正しい方を使えるように2つの違いを紹介します。

相手が来る場合には「おいでになる」

「おいでになる」は相手方が「来る」ことを指していて、漢字にすると「お出になる」となります。「出」を使っているので、相手方がこれから出て来るというのが正確な意味合いです。相手方が出てきてくれるという感謝を込めての「おいでになる」という尊敬語なのです。自分が向かっている場合に使ってしまうと、相手方の所へ「これから私が来ます」というニュアンスになってしまいますから、相手方が自分の所へ来ていたり向かっているときは「おいでになる」を使うようにしましょう。

「いらっしゃる」は「行く」・「来る」の両方

幅広く使えるのが「いらっしゃる」です。「行く」の使用例として、目上に対して行くようにお願いをするときに「いらしてください」と使います。相手方がこれから来るときや既に来ているときも「いらっしゃる」は使えます。行くとき・来るときの両方に使えるので、いるの尊敬語で迷ったら「いらっしゃる」を使うようにしましょう。また、「行く」・「来る」に限らないで、何かをしているときの尊敬語としても使えます。目上の者に取引先のことを報告する際には、尊敬語の「いらっしゃる」を使って報告をしましょう。

謙譲語と丁寧語で「いる」の使い方をチェック


「いる」を謙ったり相手方へ配慮して使う場合は、謙譲語と丁寧語になります。それぞれの使う用途と特徴を抑えておきましょう。

「いる」の謙譲語は「おる」

「いる」を謙ったのが「おる」です。自分のことや、自分の側の者を対象にした、謙譲語での活用シーンを紹介します。

外回りのとき

現状報告として、自分が出先へ向かっていたり既に取引先の所へ居るときに、「向かっております」や「〇時までおります」と目上の者へ所在地を伝えるときに使います。

電話のとき

「〇〇はいらっしゃいますか?」と電話があったときの返答で使うのが「〇〇はおります」です。電話で、在席や何をしているかの質問をされたら「おります」を使って返答をするようにしましょう。

お伝え役を担ったとき

本人の代わりに説明をしたり、状況を伝える代役を務めたときに使います。「〇〇は外回りに行っております」・「社長はとても興味を持っております」・「今日は忙しいと言っておりました」といった伝言や紹介の際に使います。

相手方へのアピール

自分のことや弊社のことをアピールする際に使います。相手方へ実績やサービス内容を伝え終えたら「おります」で閉めましょう。

謙譲語の「おります」の使用で間違えやすいのが「おられます」です。意味は同じですが「おられます」は敬意を示しています。特定の人物を対象にして、敬意を示す際に使う言葉なので「いらっしゃいます」と同様な扱いになります。単純に状況や確認事項といった情報を、相手に伝える際には「おります」を使うようにしましょう。

「いる」の丁寧語は「います」

用途や使い方は謙譲語と同じで、一般的にも幅広く使われていますが「おる」と「います」の違いは、対象となる相手です。「います」は主に、自分と同格の人が対象です。伝える対象が同僚のときは「います」を使って伝えましょう。

尊敬語と謙譲語の使い分けに注意

尊敬語の「いらっしゃる」の使い方で間違えやすいのが謙譲語の「おります」との使い分けです。この2つは用途が異なるため、誤り勝ちです。それぞれのポイントを抑えられる様に、適切な使い方を紹介しようと思います。

いるか尋ねるときは「いらっしゃいますか?」

目上や取引先の者を対象にして質問をする際は「いらっしゃいますか?」と言って聞きます。よくある間違いが「おりますか?」です。「おります」は基本的には、自分側のことを謙って伝えるときに使います。相手方に尋ねるときに使ってしまうと、不快をあたえることがあります。目上の者にいるかどうかを尋ねるときは「いらっしゃいますか?」を使うようにしましょう。
「おりますか?」を使えるケースは、自分の「息子」や「同僚」といった、身内の者が相手先の所にいるかどうかを尋ねるときとなります。

いると返答をするときは「おります」

逆に返答で「〇〇はいらっしゃいます」を使うことがありますが、これは誤りです。自分側のことを伝えているので、正しくは「〇〇はおります」を使って返答をします。

自分側の者が行き来するときは「伺います」

取引先へ、これから担当の者が行き来することを伝えようと「間もなく〇〇がいらっしゃいます」と使うことがありますが、これは誤りです。取引先を目下にして、担当者を敬ってしまっていることになるため、失礼な表現となります。正しくは謙譲語の「伺います」で伝えます。

お願いをするときは「いらしてください」

相手方に対して、場所を案内して、そこに居てもらいたいときは「こちらにいらしてください」又は「こちらにいらっしゃってください」と言ってお願いをします。また、これから来てもらいたいときは「おいでください」を使います。誤って「おられてください」と言わないように気を付けましょう。

これらを整理すると、尊敬語の「いらっしゃる」は敬う者に対して、質問やお願いや自分側以外のことを伝えるとき。謙譲語の「おられる」は、敬う者へ自分側のことを伝えるとき。という点が、使い分けのポイントとなります。

まとめ

「いる」が一般的に広く使われている様に、ビジネスにおいても多用される言葉です。「いる」の敬語を誤って使っていると、多用される分、何度も誤ることになります。癖にもなりがちな言葉なので、正しい方を癖にして恥ることのの無いようにしましょう。

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