「善処」とは?ビジネスシーンで正しく使うために徹底整理!

ビジネスシーンにおいて「善処します」というフレーズが使われることがあります。「うまく対応してくれるのだろう」などなんとなく受け止めがちな表現ですが、正しい意味や使い方を知らない方も多いのではないでしょうか。「善処」が何を意味し、どのような場面で使うことができるのか、例文や類語とあわせて解説します。

「善処」の意味とは?

適切に処置すること

「善処」には「適切に処置すること」という意味があります。物事や状況に適した、正しい処置をしていくことを表す言葉です。

善処の「善」には、「行いや性質などが好ましいこと」「物事にうまく対処すること」という意味があります。そして「処」は、「物事をしかるべく取りさばく」という意味です。どちらも「善処」と同じような意味を持っています。

「対処」とはどう違う?

「善処」には具体性がない

「善処」には、「出来る限り上手くおさめる」「程よい対応をする」というニュアンスがあります。しかし、何をどのようにするのかという具体性はありません。具体的に行動するとも、行動しないとも言わない、曖昧な答えにとどまります。相手側が具体的な処置を求めている場合は、やきもきさせたり、心配させたりしてしまうかもしれません。

「対処」には具体性がある

「対処」は、「事柄に対して適切な処置をする」という意味を持っています。何かしらの行動を伴う言葉であり、「善処」と比べて具体性を持っています。

トラブルを解決する、不具合を直すなど、具体的なアクションを起こす場合は「対処」を使いましょう。「善処」よりも、今後の展開をはっきりと伝えることのできる言葉です。

「善処」を使う際の注意点

「善処します」はお役所言葉の典型

「善処」は典型的なお役所言葉として使われることがあります。国会中継の答弁などで耳にしたことはないでしょうか。

公的機関や政治家が明言を避けるために、意見や要望に対して「善処します」と答えることがありますが、具体的な行動は期待できない場合が多いです。「できるだけ頑張ってみます」というニュアンスが込められていることを理解しましょう。

肯定と否定でニュアンスが変わる

相手の意向通りに対応できそうだけれど、現時点では断言できないときは、肯定的なニュアンスで「善処」を使います。概ね了承できるものの、一度持ち帰って最終決定を経る必要がある、内容を再確認して改めて返答したい、といった場面です。「もちろん善処させていただきます」などと前向きに伝えることで好感を与えられます。

逆に、相手の意向に沿うことができないけれども、はっきりと断ることがはばかられる場合、否定的なニュアンスで「善処」を使います。「その件につきましては善処させていただきますが、〜」などと伝えることで「無理です」と伝えるよりは好感を与えられるでしょう。

目上の人に失礼になる場合がある

上司など目上の人からの依頼に対して、「善処します」と答えることは避けましょう。「善処」は曖昧なニュアンスの言葉であるため、「本当にやってくれるのか」と不安にさせたり、失礼な人だと思われたりするおそれがあります。

ただし、自分から相手に依頼する際には「善処」を使うことができます。「善処していただけないでしょうか」という形でお願いすることが可能です。

善処を使った例文

肯定のニュアンスで使う場合

「善処」は曖昧で不確定な表現であるため、肯定的に用いる場合は、相手に不要な心配を抱かせないよう気を配りましょう。前向きな結果が期待できることを、前後の文脈も含めて伝えていきます。

「本件については、ご期待に沿うよう前向きに善処しますので、お待ちいただけると幸いです。」
案件について、相手側の要望に沿った処置ができそうだけれども即答ができない場合に、前向きな回答を期待してほしいという意図を込めて伝えます。

否定のニュアンスで使う場合

否定的に用いる場合は、肯定の場合とは逆に、相手に期待を持たせないための配慮が必要です。はっきりと断らずとも、「期待に応えられない」という意図が伝わるように伝え方を工夫しましょう。

「本件に関しまして、善処いたしますが、ご希望に沿いかねる場合もございますのでご了承ください。」
要望通りの処置はおそらくできないけれども、その場で「無理です」とはっきり断ることが難しい場合に、あまり期待できないことを匂わせて伝えます。

相手にお願いする場合

返答としてだけではなく、相手側への依頼に「善処」を用いることもできます。適切な処置や改善を求める際に使いましょう。接頭語の「ご」をつけて「ご善処」と表現すると、より丁寧な表現になります。

「内容の改善について、ご善処のほど、何卒よろしくお願いいたします。」
具体的な内容は指定せず、適切な処置を求める際に、相手側に伝えます。

英語の例文

「I will do my best.」
「I will take the appropriate steps.」
(善処いたします。)
「I take proper measures to be able to meet requirements.」
(ご希望に沿えるよう善処します。)
「I take proper measures about this matter.」
(この件については善処させていただきます。)

善処の類語

善処と同様の意味で使える表現

「善処」と同じような意味で使用できる表現をいくつか紹介します。

「前向きに取り組みます。」

具体的な行動は明言できないものの、期待に応えた処置ができそうであると伝えます。

「適切に処置いたします。」

問題や事柄に対応した正しい行動をしていく、という意味合いです。

「鋭意努力いたします。」

具体性はなくとも、気持ちや方向性としては希望に沿えるようにする、という印象を与えます。

まとめ

相手側の希望に沿えるのか、無理なのか、その場では即答できないときに「善処」は使いやすい表現です。曖昧なニュアンスを持つ言葉であるため、相手に誤解を与えないよう、かつ不快な思いをさせないように注意する必要があります。その後の展開を踏まえながら、状況や相手との関係性によって、うまく使用していきましょう。

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